ABABA’s ノート

旅と鉄道、岬と灯台、読書ときどき映画あるいは美術に関するブログです。

三浦千波展

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(写真1 個展会場の様子)

力強く大胆な画風

 三浦千波の個展が銀座の兜屋画廊で開催されている。
 会場に入ると明るい色彩の絵がいっぱいに目に飛び込んでくる。風景画が多いのだが、力強い画風が特徴で、あるいは画家のことを知らなかったら男性が描いたのではないかと思うほどだ。三浦さんはあまり細かなデッサンはしないそうで、それが自由で大胆な画風に生きているようだ。特にオレンジ色の配色が大胆で、見るものに大きなインパクトを与えている。
 オレンジ色ということでは、私は三浦さんの絵を20年来見てきているのだが、三浦さんはオレンジ色をイタリアへの取材旅行でつかんだのではなかったか。中でもアッシジを題材にした作品は印象深く秀逸だった。素人の勝手な想像だが。
 そしてこのたび、スペインの古都トレドを題材にした一連の作品に受け継がれているようで、もはや“ちなみのオレンジ”といえるような独自の表現世界ではないかと思われた。フェルメールのブルー、ゴッホのイエローと並べては三浦さんは面映ゆいだろうか。
 代表作は「トレドの橋」だっただろうか。会場には40点ほどの作品が展示されていたのだが、どれか1点を選ぶとしたら、はなはだ難問だが、私はこの絵を選んだだろうと思った。
 三浦さんの絵は、明るい風景画が多いから、自宅のリビングルームであろうが、書斎でもいいだろうし、存在感もあるからホテルのロビーのような大空間にも似合うだろうし、どこに飾っておいても落ち着いた情緒が得られる。
 三浦さんは岩手県の大船渡市の出身。東日本大震災で大きな被害を受けたところだが、三浦さんの絵にも震災後しばらくは暗い影を落としていたが、このたびの個展を見る限り明るさは戻ったようだ。
 三浦さんはほぼ2年ごとに個展を開催しているようで、もう20年にもなるのだという。銀座の名門画廊できちんと個展を開催し続けてきているのだから、三浦さんの実力と人気ぶりがうかがい知れる。

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(写真2 「トレドの橋」=開催案内の絵はがきから引用)