ABABA’s ノート

旅と鉄道、岬と灯台、読書ときどき映画あるいは美術に関するブログです。

44年ぶりの「築地明石町」

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(写真1 鏑木清方「築地明石町」=会場で販売されていた絵はがきから引用)

近美の鏑木清方コレクション

 東京国立近代美術館で開かれている所蔵作品展の一環として特別公開されていた。
 美しい。日頃日本画を見る機会は少なくて、そもそも私の絵画鑑賞は美しいか否かだけ。大変レベルの低いもので、絵画の奥深さまでを感得できないし、洋画であれ日本画であれ美しいものが好き。
 そういうことでこの鏑木清方の「築地明石町」は良かった。名作ながら44年もその所在が不明になっていたものなそうで、このたび新たに近美のコレクションに含まれた。
 品のいい細面に切れ長の目、なで肩の美人がすっきりとした立ち姿で描かれており、小紋の単衣に紋付きの黒い羽織をぞろりと羽織っている。昭和2年の作とあるが、この時代の流行だったのか、羽織の丈が大変長い。斜め後ろの柵には朝顔が絡まっており、季節は初秋であろうか。足袋ははいていない。和装のことは何にもわからないが、肌着は重ねていないようだが、そういうものなのだろうか。着物しか着ていなかった私の母は、単衣であろうと襦袢はともかく必ず肌着を着けていたが。
 会場では、この「築地明石町」のほか「新富町」と「浜町河岸」も加えたいわゆる三部作が並んで展示されていて注目された。なお、「浜町河岸」には背景に灯台が描かれており、興味深いものだった。
 また、会場には「明治風俗十二ヶ月」も展示されていたが、どうやら清方は明治の市井を熱心に描いていたように思われた。

お断り 2019年の本ブログの更新は本日までです。ご愛読ありがとうございました。新年は2020年1月11日から再開致します。どうぞ良い年をお迎え下さい。