ABABA’s ノート

旅と鉄道、岬と灯台、読書ときどき映画あるいは美術に関するブログです。

展覧会『ゴッホ展』

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(写真1 会場の上野の森美術館外壁に掲げられた巨大な看板)

ゴッホの画業を辿る

 ゴッホの画業の全体像がわかるような展覧会だった。
 リアリズムの色彩が強いようなハーグ時代から、弟テオを頼ってパリに出てきて印象派と出会ったパリ時代、明るい陽光を求めて南仏に赴いたアルル時代などとゴッホの半生を辿るように作品が展示されている。
 また、各時代においてゴッホが影響を受けた、ピサロ、セザンヌ、シスレー、モネ、ルノワールなどの印象派の画家たちに加えてゴーギャンの作品などが並んでいた。
 注目はやはりアルル以後。私の絵画鑑賞はレベルの低いもので、美しいか否かぐらいしか判断がないくらいだから、ゴッホの作品の中では色彩が豊かなアルル以後が断然好きだ。

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(写真2 「パイプと麦藁帽子の自画像」=会場で販売されていた絵はがきから引用)

 アルル時代のものとしては「タンギー爺さんの肖像」(1987)、「麦畑」(1988)などとあって、サン=レミに移ってからのものでは、「サン=レミの療養院の庭」(1889)、「糸杉」(1889)などとあった。
 ゴッホは37年の短い生涯。それも作品の推移から判断すると、画家としての人生はせいぜい10年ほどか。それにしてもこの間に凝縮されたエネルギーが一挙にほとばしったわけで、いかにも炎の人にふさわしい。
 ただ、展覧会はゴッホ展と謳いながら、「夜のカフェテラス」「黄色い家」「ファンゴッホの寝室」「ひまわり」「子守女」「糸杉と星の見える道」「星月夜」「カラスのいる麦畑」などとゴッホを代表する作品が出品されていなかったのは残念で、はなはだ不満だった。それでも、私自身としては好きな分野ではないが、日頃注目されることの少ないハーグ時代に光が当てられたのは貴重だったのかも知れない。
 このところ、海外の美術館から借りてきた作品で企画展が組まれることが多いが、今回のゴッホ展は私のような上滑りの大雑把なゴッホファンにとっては難しい企画だったように思われた。主催産経新聞社。
 ところで、この日は、上野広小路の映画館で映画「永遠の門-ゴッホが見た未来」を観たその足で上野の山に登り上野の森美術館に訪れてゴッホ展を見たのだが、ゴッホの半生がよくわかって面白かった。

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(写真3 「麦畑」=会場で販売されていた絵はがきから引用)