ABABA’s ノート

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西本智実+イルミナートフィル演奏会

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(写真1 演奏開始前の会場の様子)

ゲストに岩崎宏美

 10月5日蒲田の片柳アリーナで開催された。日本工科大学を運営する片柳学園の主催で、創立記念感謝の調べと題し行われた。会場は4千人収容という巨大な多目的施設で、これが驚くことに満員の盛況ぶりだった。
 西本智実は、人気の女性指揮者で、ロシア国立交響楽団など世界30カ国のオーケストラを指揮しているという。また、イルミナートフィルハーモニーオーケストラは西本が芸術監督を務めており、ヴァチカンでのコンサートなどにより一躍注目されている。
 この日の公演は、地元大田区の住民なども招かれており、ポピュラーな演目が多かった。また、オーケストラの演奏の合間には、ゲストの岩崎宏美がオーケストラを背景にすばらしい歌唱を披露した。さらに、冒頭、この8月に98歳で亡くなった創立者片柳鴻氏を追悼し「G線上のアリア」が演奏された。
 演目は、演奏順にモーツアルトの「フィガロの結婚序曲」、チャイコフスキーの「くるみ割り人形」、休憩を挟んでムソルグスキーの「展覧会の絵」、ラヴェルの「ボレロ」と続いた。
 面白い趣向だったのは「展覧会の絵」。この曲はムソルグスキーが展覧会場で見た友人の10枚の絵の印象を組曲にしたことで知られるが、この日の演奏会では、片柳学園の学生たちが制作したアニメーションが、オーケストラの背景に大きく映し出され、オーケストラとのコラボレーションになっていた。組曲には1枚1枚に題名がつけられているのだが、制作した学生はそれぞれのイメージを膨らませて小さなストーリーを構成していた。
 大きな画面に映し出されるアニメーションを見ながらオーケストラの演奏を聴くというのも得がたい体験で、イベントの伴奏とも違って独自の趣向が注目された。ただ、映像を追いかけるあまり、演奏への集中が弱まるようでなかなか難しいものだと思った。
 このたびの演奏会で注目していた西本の指揮ぶりは大変ダイナミックなもの。派手なパフォーマンスが面白かったが、これが人気の所以かもしれないとも感じた。ただ、オーケストラの演奏はどうだったか。特に1曲目の「フィガロの結婚序曲」は今一つだったように受け止められた。音楽に格別の造詣があるわけでもない、ずぶの素人が勝手なことを生意気だが、印象だけで言えばそういうこと。
 なお、「ボレロ」は、同じモチーフによるメロディーが次々と異なった楽器によって演奏されていくのだが、フルート、クラリネット、トロンボーンなどとリレーされていく中で私には初めの部分に登場したクラリネットがよかったように思われた。