(写真1 高島岬に立つ日和山灯台)
北海道で二番目に古い灯台
日和山灯台は、小樽の郊外祝津にあり、小樽駅からバスで10分ほど。終点おたる水族館から坂道を登ること約10分。石狩湾にでべそのように突き出た小さな岬高島岬の先端にあって小樽港に出入りする船舶を誘っている。
(写真2 麓から見上げた日和山灯台と鰊御殿)
麓は住宅地で、水族館から坂を登っていくと、坂の途中に、かつての鰊御殿だという立派な建物があって、灯台はさらにそこから急な坂を登り詰めたところにある。
(写真3 後ろ側から見上げた灯台)
灯台は、赤と白の縞模様になっていて、しかも、灯塔ばかりか付属舎も同じように塗られているから、遠目には灯台とは思えず、観光用の展望台のように見えなくもない。近づいても円形の大きな缶を立てたようにも見えるし、赤い塗色が剥がれかかって傷んでいる。小樽駅の観光案内所によれば、近々、塗装工事が行われるらしい。
灯台は、塀がぐるりと回され、門扉は錠がかかっていて近づくことはおろか敷地に入ることもできない。全国の灯台にはこのように固く閉ざされたところが少なくないが、なぜだろうか。灯台はがっしりした建造物だし、容易に破壊されるものとも思えないから、灯塔の内部はともかく近寄ることぐらいはさせて欲しいものだ。灯台は今や観光資源としても注目されているところだし、一考して欲しいものだ。
地図で見ると、高島岬は、積丹半島の東側の付け根に位置し、日和山灯台は石狩湾を挟んで石狩川の河口にある石狩灯台と対置しているように受け止められる。二つの灯台は、小樽港のほか、石狩湾新港にも対応しているものであろう。
岬の先端は高い崖になっている。高さ40メートルほど。眼前は石狩湾。時折船が横切るが、概して船舶交通量は多くはない。このあたりは北海道の灯台のことで、ひっきりなしに船舶が航行する東京湾や瀬戸内海に比べれば静かな海だ。
目を右に向ければ、眼下に小樽港が見える。もとより小樽港は北海道開拓の拠点となってきたところ。日和山灯台が、1883年の初点と、納沙布岬灯台に次いで北海道で二番目に古い灯台というのも頷けるところ。かつては鉄道と結びついて石炭輸送の重要な役割を担ってきたところだが、現在はクルーズ船が頻繁に寄港していて観光港としての位置づけを強めているように思えるがどうであろうか。
(写真4 麓の住宅地から遠望した日和山灯台)
<日和山灯台メモ>(灯台表及び海上保安庁/燈光会等が設置した看板等から引用。なお、灯台表と看板の表記が異なる場合は灯台表を優先し、必要に応じ看板表記を括弧内に補記した)
航路標識番号(国際番号)/0580(M6996)
位置/北緯43度14分3秒(43 14.18N) 東経141度00分9秒(141 00.56E)
所在地/北海道小樽市祝津
塗色/白地に赤横帯2本
構造/塔形コンクリート造
灯質/単閃白光 毎8秒に1閃光(群閃白光毎20秒に2閃光)
実効光度/11万カンデラ
光達距離/19海里(約35キロ)
明弧/108度~347度
塔高/10メートル
灯火標高/50メートル
初点灯/1883年(明治16年)10月15日(当初は木造六角形で、1953年に現在のコンクリート造に建て替えられた)
管轄/第一管区海上保安本部小樽海上保安部
なお、ウィキペディアによれば、レンズは40センチ回転灯器だとのこと。また、小樽観光協会の案内によると、光源は70ワットメタルハライド電球だとのこと。