(写真1 車掌車ヨ7904)
シリーズ車掌車を訪ねて
小樽市総合博物館は、小樽駅からバスで5分ほど。手宮にあり、ここは北海道における鉄道の原点。旧手宮鉄道施設のあったところで、国の重要文化財に指定されている煉瓦造の機関車庫などが残されている。
なかなか広大な施設で、多数の鉄道車両が展示されている。総合博物館というが、内容的には鉄道博物館ではないか。
(写真2 国の重要文化財である煉瓦造の機関車庫や転車台。ラッセル車も見える)
屋外展示場に出たすぐ右手には、機関車庫のほか転車台といった重要文化財が展示されている。ここにはキ270やキ1567といったラッセル車の姿も見え、いかにも北海道の鉄博らしい。
(写真3 北海道鐵道開通起點のモニュメント)
敷地の中央には、「北海道鐵道開通起點」という準鉄道記念物のモニュメントがあった。そこには1880年(明治13年)、北海道で最初の鉄道がここから始まったと記されてあった。
キハ56形急行車両などとかつて北海道で活躍した車両が数多く展示されていた。また、この日は、北海道最古の動態保存蒸気機関車に引かれた列車が構内運転されていて、夏休み中の多くの子どもたちが歓声を上げていた。
(写真4 貨物列車に連結されて緩急車ワフ29984)
ホキ、トラ、セキ、ワムなどとDEに牽引される形で展示されていた貨物列車の編成の最後尾に緩急車ワフ29984が連結されていた。緩急車は一部が貨物室になった車掌が乗務する事業用貨車。車掌車同様ブレーキが取り付けられているのが大原則。車内はやはり車掌車に比べやや狭い。
車掌車は1両だけの展示で、ヨ6000形のヨ7904がやはり貨車と連結されて展示されていた。説明板によると、1968年(昭和43年)東急車輌製造/協三工業の製造。自重8.8トン。なお、この説明板には日本語のほか英語とロシア語の表記も含まれてあった。釧路や稚内ではロシア語表記の店を時折見かけるが、小樽でもロシア人の来場者は多いのであろうか。
帰途、館外で飲食施設として使用されている車両があって、そのうちの1両はよく見ると緩急車だ。車体は再塗装されていて車番などは消されていたが、足回りをのぞき見ると、ワフ29688と読めた。
(写真5 小樽市総合博物館の本館建物)