(写真1 須崎半島突端に立つ爪木埼灯台)
伊豆半島南東須崎に立つ
相模湾と駿河湾を分かつ伊豆半島にあって南端は石廊崎灯台であり、下田港沖合10キロほどのところににある神子元島灯台とともに大きな道標だとすれば、爪木埼灯台は伊豆半島南東の須崎半島の先端にあって、相模湾に入ろうとする船舶にとって湾の方向を誘う門灯のようなものか。まるで対岸のように大島が大きく見えている。
伊豆急下田駅から日に4本と本数は少ないが東海バスのバス便があり約20分。終点爪木崎下車。終点近く途中には須崎御用邸がある。
(写真2 バス停から見た小高い丘の上の爪木埼灯台)
バス停からは、海に突き出た小高い丘のように見えていたが、それが半島の先端で灯台がちょこんと顔をのぞかせていた。
徒歩10分ほど。実際にも小さな岬で、細い尾根を進むとまるで劈頭に立つように真っ白な灯台があった。円塔形で、塔高は17メートルと大きくはないが姿のいい灯台だ。灯塔に貼り付けられていた初点銘板によると、初点日は昭和十二年四月一日とあった。コンクリート造であろうか、表面はタイル張りになっていた。また、下部はむき出しのコンクリートだった。
(写真3 南側から見た須崎半島と爪木埼灯台)
大島が間近に見えるほか、右手前方の沖合には神子元島が見えている。神子元島灯台は、明治3年、いわゆる江戸条約によって建設された灯台。なお、灯台は断崖ぎりぎりに立っていて、海側から写真を撮ることは難しかった。
後背に目を転じると、荒々しい磯になっていて、柱状節理によるものだという。俵磯と呼ばれているらしい。
また、灯台周辺は、爪木崎自然公園になっていて、遊歩道などが整備されているようだった。また、ここはスイセンの群生地としても知られ、そういうところから、ここには、日本ロマンチスト協会によって恋する灯台プロジェクトで「恋する灯台」に認定された看板が立っていた。
(写真4 海側から仰ぎ見た灯台の姿)
<爪木埼灯台メモ>(灯台表等から引用)
航路標識番号/2441
位置/北緯34度39分5秒 東経138度59分2秒
所在地/静岡県下田市
塗色・構造/白色塔形
灯質/単閃白光 毎4秒に1閃光
光達距離/12海里(約22.2キロ)
明弧/180度~62度
塔高/17メートル(地上- 塔頂)
灯火標高/38メートル(平均海面- 灯火)
初点灯/1937年(昭和12年)4月1日
管轄/下田海上保安部