ABABA’s ノート

旅と鉄道、岬と灯台、読書ときどき映画あるいは美術に関するブログです。

近鉄 橿原線系と奈良線系

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(写真1 橿原神宮前駅の堂々たる駅舎)

近畿地方の鉄道路線⑦

 近鉄橿原(かしはら)線は、大和西大寺駅と橿原神宮前駅を結び、京都駅と大和西大寺駅間の京都線とは一直線に結ばれて、京都から奈良へ南北に貫いている。JRの京都線、桜井線と大部分が並行している。
 橿原神宮前駅。橿原神宮を模したような大屋根の立派な駅舎。橿原神宮はここから徒歩10分のところ。
 広い構内を持つ大きな駅。4面8線のホームがあるのだが、ある意味近鉄の発展過程を示していて、2面4線のホームが二つあると捉えた方がわかりよい。
 一つは、南大阪線や吉野線が乗り入れる狭軌の路線。もう一つは奈良や京都方面に向かう橿原線が発着する標準軌の路線。二つのグループはY字のように離れていて、底部には駅ナカに土産物屋や食堂が並んでいる。
 まずは、3番線から橿原線京都行き急行に乗車。沿線には住宅が広がり関西圏の大きさを感じる。平端駅で天理線に乗り換え。この駅は橿原線と天理線はY字型にホームが離れていて、2番線から13時47分発天理行きに乗車。すぐに川を渡った。佐保川と言うらしい。近鉄沿線のいいところは、たいがいの川で土手に河川名を示す看板が設置してること。これはうれしいこと。地図は必ず携行しているのだが、小さな川だとわからない場合も少なくない。

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(写真2 天理駅。右が近鉄線で、左奥がJR線)

 沿線には田んぼが開けていて三つ目が終点天理。JR桜井線にT字型に突き当たるような構造だった。駅前に立っていた地図によれば、まっすぐ進むと天理教本部や天理大学に至るようで、圧倒的に天理教関係の施設が多いようだった。

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(写真3 近鉄奈良線右窓に見えた平城宮跡の朱雀門)

 すぐにとって返し、橿原線直通の大和西大寺行きに乗車。終点で近鉄奈良線に乗り換えて近鉄奈良行きに乗車。大和西大寺を出るとすぐに平城宮跡にさしかかり、右窓に復元された朱雀門が見える。新大宮を経て終点近鉄奈良。JR奈良駅とは離れているが、東大寺や興福寺にも近く奈良観光の中心にあり、いつでもにぎわっている。

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(写真4 奈良観光の中心近鉄奈良駅)

 近鉄で奈良線は創業路線みたいなもので、線区上は布施駅と近鉄奈良駅間になるが、運行上は大阪線に直通し大阪難波・上本町と結んでいる。外国人観光客も多いホームで行き先表示を見ていると、区間急行神戸三宮、普通尼崎、急行大阪難波、急行京都、普通京都、特急京都、普通橿原神宮前、特急橿原神宮前などと各方面行きの列車が頻繁に発着しているのが見て取れる。
 近鉄奈良線で生駒まで戻ったあと、けいはんな線生駒駅-学研奈良登美ヶ丘駅間を往復。長いトンエルで生駒山地を抜けた。路線名にあるように沿線には奈良先端科学大などの看板が見えた。終点はニュータウンの様相だったが、地図で見ると学研奈良登美ヶ丘から少し延伸すれば近鉄京都線に届きそうだった。帰りの電車は地下鉄中央線直通コスモスクエア行きとなっていた。
 生駒からは近鉄生駒線。なかなか乗ることの少ない路線で、私も二度目。生駒駅-王寺駅間を結び、生駒山地の東麓を走っている。生駒山地は大阪と奈良の県境となっており、奈良線にしろけいはんな線にしろ大阪から奈良に向かってくると屹立した山塊に見える。ここをトンネルを掘って奈良線が開通したのが1914年。生駒トンネルは難工事だったようだ。JRの関西本線が奈良から南へ大きく迂回した路線となっているのは、この生駒山を越えることを敬遠したからであろう。
 住宅が続くだけでやや単調な路線で、所要26分で王寺着。

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(写真5 王寺駅。右が近鉄、左がJR)

 この駅はちょっと変わった位置関係になっていて、JRの王寺駅とは隣り合っているのに、同じ近鉄の田原本(たわらもと)線の新王寺駅とは駅前の小さなロータリーを挟んで向かい合っている。
 王寺駅を出ると右隣がJRの王寺駅。正面に新王寺駅が見えていて、この間数十メートル。なぜにつなげなかったのかと思うが、それにしても乗り換え客もいない。
 田原本線は、新王寺駅と西田原本駅間を結ぶ路線距離10.1キロの路線。全線単線。ワンマン運転だった。ちょっと変わった路線で、新王寺駅にしろ西田原本駅にしろ、近鉄線のみならず他のどの線ともつながっていない、言わば独立したというか、孤立した路線。
 西田原本駅では、橿原線の田原本駅に乗り換えたいのだが、少々歩かされた。ここでもなぜ二つの駅をつなげなかったのかとの疑問が消えなかった。
 田原本からは橿原線で大和八木。さらに近鉄大阪線に乗り換え、近鉄難波へ向かった。

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(写真6 近鉄田原本線西田原本駅)