ABABA’s ノート

旅と鉄道、岬と灯台、読書ときどき映画あるいは美術に関するブログです。

南海高師浜線/汐見橋線

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(写真1 南海高師浜駅)

近畿地方の鉄道路線④

 高師浜(たかしのはま)線
 南海本線の羽衣駅と高師浜駅間を結ぶ路線。営業距離はわずかに1.5キロ。他社線や他路線から乗り入れない自己完結型としては私鉄では日本で最も短い路線。駅数は起終点を含め3。全線大阪府高石市所在。

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写真2 羽衣駅3番線高師浜線ホーム。後方は高架化工事が進む本線)

 羽衣駅。本線の2番ホームの和歌山寄りの端を切り込んで設けられた3番線が高師浜線のホーム。2両の電車ワンマン運転。高架化工事が進められており、1番線はすでに供用が開始されているようだ。
 10時29分発。乗客はわずかに3人。発車してすぐに右にカーブしたと思ったら一つ目の伽羅橋。ここで一人下車した。
 次の終点高師浜はもう見えている。駅間距離はわずかに0.5キロ。10時32分着。短い路線ながら立派な駅舎。本線からまるででべそのように大阪湾に向かって突き出た路線。
 何でこのような路線が生まれたのか調べてみたら、戦時中は陸軍の施設があり、戦後も米軍に接収されていたものが、返還後住宅地として再開発されたとのこと。それにしても南海には加太線も含めこのような小さな盲腸線が多い。
 なお、羽衣駅は、JRの東羽衣駅と隣接していて、この東羽衣-鳳間も阪和線の支線としてわずか1.7キロしかない線区。この周辺は実に小さな路線が成り立っているから素晴らしい。

 

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(写真3 岸里玉出駅の汐見橋線ホーム。奥は本線と高野線)


 汐見橋線
 岸里玉出(きしのさとたまで)駅と汐見橋駅を結ぶ全線4.6キロの路線。駅数は6。
  岸里玉出駅は、高野線と本線が合流していてちょっと複雑な構内。1、2番線ホームはちょっとはみ出したようにあり、高野線の上り下り。3番4番が本線の上り下り。なお、高野線も本線も難波が起終点。
 そして5番線はなく6番線が汐見橋方面行きホーム。2両のワンマン運転。16時25分の発車。発車してすぐに左にカーブしたが、津守、木津川などと進み芦原町からはほぼ一直線に汐見橋。
 行き止まりのホームで、1面2線。駅舎は建て替えられたらしく比較的新しい。駅前は汐見橋交差点で、新なにわ筋と千日前通が交差している。目の前、千日前通の地下が地下鉄千日前線と阪神なんば線の桜川駅。近年、この桜川駅との乗り換え客で汐見橋線も乗客が増加してきているとのこと。私もそのように乗り換えたが、なるほど、近鉄奈良方面にしろ阪神尼崎方面にしろとても便利になった。
 なお、この汐見橋線については少々説明がいる。実は、高野線はこの汐見橋駅が起点なのである。現在は直通する列車は1本もなく、すべて難波発着だが、線区上はそのようになっており、その意味では、汐見橋線と通称しているが、高野線の支線とみたほうがよいのだろう。ただし、汐見橋線はすべて線内折り返し列車ばかりである。また、汐見橋駅は1900年の開業当初は道頓堀駅と称していたらしい。

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(写真4 汐見橋駅)