ABABA’s ノート

旅と鉄道、岬と灯台、読書ときどき映画あるいは美術に関するブログです。

「カフヱーパウリスタ」

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(写真1 これはパウリスタオールド)

コーヒー店のパイオニア

 銀座のとんかつ屋で友人たちと昼食を取ったあと、食後のコーヒーは、八丁目のカフヱーパウリスタでいただいた。
 銀座通りに面したビルの1階2階部分が店舗で、我々は2階のテーブル席に落ち着いた。
 カフヱーパウリスタは、銀座にコーヒー文化をもたらした老舗の喫茶店。1911年の開店というから、すでに創業108年となる。同社のパンフレットによると、当時はカフェを喫店と称していたらしい。吉井勇、菊池寛、芥川龍之介、佐藤春夫、獅子文六らそうそうたる文化人が常連で、当時の文化活動の一拠点にもなっていたという。
 「銀座に行ってパウリスタのブラジルコーヒーを飲もう」という言葉が流行ったらしく、それが銀ブラの語源ともなったという逸話が伝えられている。ただ、信憑性は薄いようで、カフヱパウリスタのパンフレットにもそのような記述は見当たらなかった。
 当初の店舗は交詢社通りにあったらしいが、関東大震災で消失、その後、1970年に現在地で再開したという。
 2階の喫茶室は、ゆったりした構えで、余計な装飾も施さないシンプルな様相で落ち着ける。
 コーヒーにも数種類のメニューがあったが、私が選んだのはパウリスタオールドという品名。パウリスタ伝統のやや深めの焙煎コーヒーとのことで、色は濃い褐色なのだが、苦味はさほど強くはなく、ほどよいコクが感じられた。
 コーヒーは好きで、毎日自分でドリップで淹れて飲んでいるのだが、なかなか満足する味にならない。日本の喫茶店は質が高くておいしいコーヒーを飲ませてくれるが、どうやったらあのレベルになるものか。どうも豆だけのせいでもなさそうだし、なかなか奥が深い。