ABABA’s ノート

旅と鉄道、岬と灯台、読書ときどき映画あるいは美術に関するブログです。

2018年回顧 小説・映画・美術・音楽

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(写真1 私が選んだ今年の3冊)

今年のABABA'sノートから②

 本好きだし、映画も観るし、美術館にもよく足を運ぶ。音楽会にも時折顔を出す。
 ただ、私はどれ一つ取っても好事家というほどはないし、格別の造詣があるわけでもない。
 しかも、私は、本にしろ、映画にしろ、面白かったか、美しかったかという程度の楽しみ方。そういう中で今年面白かったものジャンル別に幾つかABABA'sノートから拾ってみた。(括弧内は記事掲載日)

小説
 読書量が断然落ちた。本を読むスピードが遅くなったためで、一時の半分以下。そういう中で今年面白かったもの3冊。
 内田洋子『モンテレッジォ 小さな村の旅する本屋の物語』(方丈社)本を担いで行商して歩いたという村人たちの物語。「本を選ぶのは旅への切符を手にするようなものだ」などとあって首肯できたし、本書には本好きが丁寧に造った本という印象が強くて楽しくなる。(2018.9.18)
 レイフ・GW・ペーション『許されざる者』(創元推理文庫)スウェーデンミステリの傑作である。膨大な傍証を読者に提供しながら事件の真相に迫っていくこの物語は、謎解きの面白さとともに社会的命題をも我々に突きつけていく。(2018.5.22)
 植本一子『フェルメール』(共同発行=ブルーシープ+ナナロク社)著者は写真家。フェルメール全作品撮影のため世界各地に散らばっているフェルメール作品を探し求めて旅をした写真アルバムであり紀行文。巡ったのは7カ国14都市17の美術館。美しい写真と率直な文章が独特の写真紀行になっている。(2018.11.21 )

映画

 映画は好きで映画館にはよく足を運ぶ。映画を観ながらメモを取っているが、暗がりの中でメモを取るのはなかなか難しくて、いい方法はないものかと思案している。
 『タクシー運転手』韓国映画。監督チャン・フン。日本で光州事件として知られる、1980年のいわゆる韓国の「5.18民主化運動」が正面から取り上げられている。これほど緊迫感の高い映画は稀なこと。凄まじいまでの演出だ。(2018.9.20)
  『立ち去った女』フィリピン映画。ラヴ・ディアス監督作品。徹底して固定カメラの長回しで、これが見るものに微妙な緊張感を強いており、なかなか秀逸な映画言語である。第73回ベネチア国際映画祭で最高賞である金獅子賞を受賞している。(2018.4.20)
  『花咲くころ』ジョージア映画。全編にちりばめられたメタファーと細かなエピソード。どのような心象風景だったのか。仲の良い二人の少女エカとナティア。幼さと大人へ背伸びする姿が同居する二人の少女を清冽に描いて映画はまずは美しい。(2018.2.21)

美術

 面白い企画があれば、また、地方に行ったときにも時間があれば、美術館にもよく足を運ぶ。もっとも、私の美術の見方は美しいか否かだけだが。
 特別展『縄文』東京国立博物館で開催された。国宝5件の土偶のうち「縄文の女神」「中空土偶」「合掌土偶」があっていつ見ても不思議な魅力があった。ただ、残念だったことは「縄文のビーナス」と「仮面の女神」の2件は展示期間が異なっていて見ることができなかった。(2018.07.18)
  東御市梅野記念絵画館。長野県。「美に焦がれて蒐集もまた芸術である 洲之内徹・大川栄二・梅野隆の眼展」と題し開館20周年記念展が開かれていた。洲之内も、大川も、梅野も希代の在野の美術コレクターとして知られ、この三人に焦点をあてた企画の妙に感心した。また、浅間山を望むカフェが素晴らしかった。(2018.08.27)
 『没後50年 藤田嗣治展』(東京都美術館)過去最大級の回顧展。乳白色を基調とした「私の部屋、目覚まし時計のある静物」や若い女性がカフェで物思いにふけっている様子を描いた「カフェ」から「自画像」などと藤田の画業の全体像がわかるような内容だった。(2018.08.29 )

音楽

 音楽会にも、、美術展ほどはないが、機会があれば顔を出している。ずぶの素人のこと、曲想のわかるような曲が好きだ。
 『しずくいし夏の音楽祭東京公演2018』(会場ムジカーザ)林智之メモリアルコンサートで、今年はしずくいし夏の音楽祭ミュージックキャンプ受講生たちも出演して大変にぎやかなものだった。シューベルト弦楽四重奏曲第12番ハ短調D.703「四重奏断章」やモーツアルトピアノ協奏曲第12番イ長調K.414(ピアノ五重奏版)などが演奏された。(2018.07.23)

お断り 2018年の本ブログの更新は本日までです。ご愛読ありがとうございました。新年は2019年1月7日から再開致します。どうぞ良い年をお迎え下さい。