ABABA’s ノート

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南部絵暦

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(写真1 平成31年版南部めくら暦)

200年続く文盲用の暦

 そろそろ新年の暦や手帳を用意する季節。新しいものはないかと探すが、結局、使い勝手のこともあるし毎年同じものに落ち着く。
 今年は珍しい暦が手に入った。南部めくら暦である。この場合のめくらは文盲をさすが、めくらという言葉遣いは差別語でもあり、この頃では遣われなくなったが、版元では200年も続く文化財であり、そのまま古い呼び方を踏襲している。
 そもそも、めくら暦とは、字の読めない文盲のために絵で描かれた暦のこと。南部地方(現在の岩手県)では200年も前から今日に伝わっている。全国各地に同じようなものがあったのだろうが、今日見られるのは非常に珍しいようだ。
 さて、その南部めくら暦は、半紙(B4判相当)の大きさ。和紙に印刷されている。版元中村光孝。
 しかし、この絵暦は、現代人が読み解くのは大変難しい。まるで暗号を解析するような能力が必要なほどだ。
 暦には、版元から解説の資料が添付されてきたが、それによると、最上段中央の升は、来年の年号と干支を表しており、右から塀と男が背負った井桁から平成と読み、三段の重箱と銭1銭で三十一という具合。猪は干支の亥である。
 この暦がどのように使われていたのかわからないが、私は民芸品として額装して飾っておこうと思っている。