ABABA’s ノート

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講演『船舶・海洋環境』

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(写真1 講演の模様)

二火会で渡辺巖氏

 二火会は異業種交流的な勉強会で、高校時代の同期が集まって隔月に開催しているものだが、このたびは渡辺巖氏をゲストに『船舶・海洋環境』と題し講演をいただいた。
 渡辺先生は、東大船舶工学科昭和43年卒。運輸省船舶技術研究所(現国土交通省海上安全技術研究所)理事などを歴任した。工博。日本造船学会(現日本船舶海洋工学会)論文賞など受賞。運動性能が専門。
 この日の講演は、船舶・海運の安全環境問題について一般の聴講者向けにやさしい内容を心掛けていただいた。
 講演は、まず船舶に関する基本知識を紹介したあと、船舶による海洋汚染について事例を交えて解説した。この中で自ら事故調査に関わったというナホトカ号について、2万トンタンカーで6千トンの重油が流出して多大な海洋汚染となったが、船体溶接部には減衰も見られたとし、ゾロアスター号をはじめタンカーによる大量の油流出事故の経験から今日では二重船殻などの対応がとられてきていると解説していた。
 また、環境問題に大きな影響をもたらしているバラスト水(主にタンカーで船体安定性保持のために船体に注入される海水のこと)について、排水したバラスト水が外来海洋生物による環境攪乱が生じているとして、バラスト水の殺菌処理など厳しい基準による対応が進められていると紹介していた。ちなみに、世界で航行される船舶に積まれているバラスト水は100億トンから120億トンにも達するというから驚く。
 二火会はこれまでメンバーが持ち回りで話題提供を行ってきたが、外部から講師を招いて行う今回のような講演会も、話題が広がるし有意義なものだった。