ABABA’s ノート

旅と鉄道、岬と灯台、読書ときどき映画あるいは美術に関するブログです。

京成金町線

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(写真1 京成高砂駅5番線京成金町線ホーム)

都東部の小路線に乗る④

 都東部の小路線に乗る旅四つ目は京成金町線。
 まずは亀戸からは再び曳舟まで戻り、東武線はここで下車。ここから京成曳舟駅に徒歩移動。このあたりは下町の情緒が見られていたものだったが、久しぶりに降り立ってみると、東武の曳舟駅前も、京成曳舟駅前も線路は高架になり、駅舎も真新しくて、駅前も再開発されたらしく、昔日の面影はなくなっていた。
 東武駅から京成駅まで歩いて数分。お互いの高架線が見えているから迷うこともない。両駅を使って乗り継ぐことも可能なようだったが、実際にそのように利用している人はいるものかどうか。東武で行っても、京成でも同じように都心に乗り入れているから、利便性は同じようなものだが。
 さて、まずは京成曳舟から京成高砂へ。京成曳舟で都営浅草線から直通してきた列車に乗車。八広を過ぎると大きな川を渡った。荒川である。この日4度目の荒川である。青砥-京成高砂間にも中川があったし、このあたり河川が多い。
 青砥までは京成押上線だが、そのまま京成本線で京成高砂へ。青砥は京成上野を起点とする京成本線との合流地点。
 京成金町線はこの京成高砂から。京成本線から下車すると、いったん改札口を出てすぐ向かいにある京成金町線専用の改札口へと足を運ぶ。改札外乗り換えなのである。
 京成金町線のホームは、京成高砂駅5番線、高架の片側1線である。行き止まりのホームとなっている。前の列車は発車したばかりだったが、すぐに次の列車が入ってきた。運転間隔は短いようだ。京成金町線は、京成高砂と京成金町を結んでいる。全線2.5キロ。途中に柴又駅があるだけの小さな路線。全線が葛飾区内である。
 10月30日15時22分の発車。4両のワンマン運転。京成高砂を出るとすぐに左にカーブをして本線と離れていき、次第に高架を下っていき平地に降りた。

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(写真2 寅さんの銅像が迎えてくれる柴又駅前)

 やがて柴又。柴又帝釈天の最寄り駅であり、ここで途中下車。山田洋次監督の人気映画フーテンの寅シリーズに何度も登場した駅だが、この日も駅前に建っている渥美清扮する寅さんの銅像が迎えてくれた。
 寅さんの人気が衰えないのか、帝釈天にお参りする人も多くて、駅前から伸びる狭い参道は大勢の観光客でにぎわっていた。
 私も帝釈天にお参り。そう言えば、高校時代の大晦日、除夜の鐘を聞きながら引いたおみくじが「大凶」だったことを思い出していた。大吉はあっても、大凶は滅多にないからかえって縁起が良いと同行の者にいわれて気を取り直したことを思い出していた。帰りに名物の草団子を買った。
 再び柴又から乗車。相対して2面2線のホームがあり、ここでは京成金町から来た列車と行き違い。京成金町線は全線単線で、列車交換のできる駅はここにしかないのである。
 柴又を出ると線路は見事にまっすぐ伸びている。線路の両側を道路も走って住宅街を貫いており、なかなかの景観である。
 そうこうして終点京成金町到着。京成高砂から直通すれば5分ほどの乗車か。ここも行き止まり片側1線のホーム。
 ということは、ちっと待てよ、京成金町線は、京成高砂駅も、京成金町駅も、両端の駅はいずれも単線の行き止まりだったが、つまり、列車は線内を行ったり来たり往復しているということになるのか。行き違いは中間の柴又駅で行っているわけだ。時間を調整しながら同時運行しているのだろうが、これじゃまるでケーブルカーの運行のようなものだ。これは面白い。
 4両いっぱいの乗客がどっと降りた。駅前には千代田線直通JR常磐線金町駅があり、雨には濡れるが乗換駅ではある。
 つまり、ここも東武亀戸線同様接続する駅があるわけだから盲腸線とは言わないのであろう。

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(写真3 JR金町駅と向かい合っている京成金町駅)