ABABA’s ノート

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森知英ピアノリサイタル

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(写真1 演奏終了直後の森知英さん)

難曲の多い構成

 11月6日東京オペラシティリサイタルホールで開催された。
 森さんのファンである私としては毎年楽しみにして駆けつけているのだが、今年は、私のようなレベルの低いファンにはちょっと難しい内容だった。
 一昨年は三大B(バッハ、ブラームス、ベートーヴェン)の名品を披露して馴染み深かったし、昨年もRussian Romanceと題しチャイコフスキーはじめブルーメンフェルト、スクリャービン、ラフマニノフの四人のロシア人作曲家に挑戦して領域を広げていた。
 そして今年は、スカルラッティのソナタ6曲に始まって、ベートーヴェンの変奏曲、シューベルト=リストの歌曲3曲、、リストが3曲などとあって難曲が多く好事家ほど好むようなハイレベルのファン向けの構成だった。
 このうち、ベートーヴェンの「創作主題による32の変奏曲」は、とにかく激しい内容で、華奢な森さんがダイナミックに演奏する姿には感動した。ここ数年来のリサイタルを思い浮かべるとどうも森さんは激しい曲を好むようだ。内容的にはまるでドラマのクライマックスのような印象で、凝縮されたエネルギーが感じられた。
 面白かったのはシューベルト=リストの「アヴェ・マリア」。シューベルトの歌曲をリストが編曲したものだが、原曲は数あるアヴェ・マリアの中でも最も著名なものだろうし、リストは編曲の名手としても知られており、この組み合わせは興味津々として聴いていた。
 そもそもシューヴェルトのアヴェ・マリアは少女の敬虔さが際立つような透き通った歌曲という印象なのだが、リストの編曲は奥深さは感じるものの重苦しさが漂う印象となっていて、私にはシューベルトの原曲の方が好きだった。