ABABA’s ノート

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講演『今後の溶接界の発展に向けて』

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(写真1 熱心な聴講者を集めて行われた講演)

宮田隆司名大名誉教授が記念講演

 溶接ニュース(日本溶接協会機関紙、発行産報出版)の創刊70周年記念講演会が11月2日千代田区神田須田町のステーションコンファレンス万世橋で行われ、宮田隆司名古屋大学名誉教授が『今後の溶接界の発展に向けて』と題し講演した。
 宮田教授は、名古屋大学副総長や日本溶接協会会長を歴任されたが、この日の講演でも、幅広い知見から溶接界の課題を整理しながら提言をまとめるとともに、日本の科学技術政策についても鋭く問題点を指摘した。聴講者は溶接界から幅広く参集していたが、高次元の説得力ある講演に一様に大きな示唆を受けていた。
 講演で宮田教授は、溶接技能者数は毎年10万人を超す受験者数を数えるなどあと10年くらいは堅調に進むだろうが、進行中の人口減少と高齢化に向けての対策が肝要だとし、溶接女子の拡大を加速させる一方、外国人技能実習制度への対応が欠かせないとしていた。
 特に、溶接女子については、我が国においてはその比率は全体の0.66%にとどまっており、アメリカのように5%程度まで引き上げる方策が必要だし、今や大きな戦力となっている外国人技能実習生についても、日本の賃金は低いために、日本を敬遠し韓国や中東に流れる傾向が出ており、いずれにおいても教育の充実など抜本的な対応を急がないと早晩危機的な状況となると懸念を示していた。
  一方、大学のあり方についても、ここ10数年来の日本の科学技術政策によって大学は疲弊してきており、同時に、企業においてもすべてを自前でまかなう中央研究所のようなやり方はすでに限界にきており、今こそ産学連携によって現状を打破すべきだとする持論を展開していて、この際、産学の人事交流にまで踏み込んだ対応が必要になってきていると結んでいた。