ABABA’s ノート

旅と鉄道、岬と灯台、読書ときどき映画あるいは美術に関するブログです。

岳南電車

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(写真1 JR駅に直結している岳南電車吉原駅)

富士の裾野を走る

 岳南電車岳南線は、静岡県富士市の吉原駅から岳南江尾駅に至る全線10キロに満たないまことに小さなローカル私鉄路線。
 9月23日。東海道線普通電車を吉原で下りると、ホーム富士寄りに階段があって、岳南電車吉原駅に連絡できた。JR駅の隅っこに駅舎を設けたという様子で、駅前も狭い道を挟んですぐにどこかの会社の倉庫という風情。
 岳南線は、全線9.2キロ、10駅。起点の吉原駅は1面2線のホーム。1両の電車。7000系といい、レールバスのような車両だ。黄色い車体で、ハロウィンを模したのか、先頭にはひげがデザインされてる。
 この日は日曜日だったから、小さな子供を連れた家族連れの姿が目立つ。鉄道坊やという様子で、運転席のすぐ後ろに陣取って目を輝かせている。

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(写真2 電車は工場地帯をかすめながら走っている)

 10時17分発。電車は吉原を出るとすぐに右にカーブし東海道線をくぐる。するといきなり工場地帯に入ったようで、製紙工場なのか、工場のプラントが間近になり、まるで工場の構内を走っているようなところもある。
 この日は日中だから想像するしかなかったが、これが夜間なら工場のあかりが美しいのだろうと思われた。日本夜景遺産に認定されていて、夜間の運転は鉄道ファンの間で大きな人気がある。
 吉原本町、本吉原と吉原の中心を抜けていく。それにしても、吉原本町と本吉原と続くと、どっちが正当な中心かといぶかってしまう。
 それにしても駅間距離が短くて、頻繁に停車する。吉原本町-本吉原間など300メートルしかない。工場への引き込み線もあちこちで見られた。大工場が多いのである。
 岳南原田で上り列車との交換が行われ、岳南富士岡には車庫があり、電車が1両留置されていた。
 車窓からはほぼ全区間で左に富士山が望めるはずだが、残念ながらこの日は薄曇りなものの富士の頂は見えなかった。
 そうこうして、東海道新幹線の高架をくぐって終点岳南江尾。10時38分で、約20分の短い旅。

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(写真3 終点岳南江尾駅ホーム。奥の高架は東海道新幹線)