ABABA’s ノート

旅と鉄道、岬と灯台、読書ときどき映画あるいは美術に関するブログです。

韮崎中央公園のヨ5000形

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(写真1 EF15電気機関車を先頭に無蓋貨車3両に続いて最後尾にヨ5000形車掌車を連結し貨物列車の編成で展示されている)

シリーズ車掌車を訪ねて

 小海線の旅の途次、小淵沢の手前、中央本線を韮崎で下車し、韮崎市中央公園の車掌車を訪ねた。
 韮崎駅からタクシーで5分ほど、公園は河岸段丘によるものだろうか台地の上にあり、陸上競技場も備えた広大なもの。
 正面ゲートを入ってすぐ右奥に車掌車は展示されていて、これが実に素晴らしい。つまり、EF15電気機関車を先頭にトラ70000形貨車が3両つづき、最後尾にヨ5000形車掌車が連結されており、貨物列車の編成がきれいに整っているのだ。こういう展示は東西の鉄道博物館にも見られない堂々たるもの。
 EF15は標準形の直流電気機関車として大量に製造されたが、展示されている198号機は、昭和33年に汽車製造で製造され、各地の機関区に配置となったあと、昭和61年2月、EF15としては最後の1両として廃車指定された。この間の走行距離は212万キロに及んだと解説されてあった。
 トラ70000形は長尺向けの無蓋貨車で、展示されている車両番号は先頭から72379、74778、05013と続いている。

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(写真2 車掌車はヨ3500形を二段リンク化したヨ5000形のヨ14041だった)

 車掌車はヨ5000形のヨ14041で、ヨ3500形の改造車両。台車下部には、日本国有鉄道大宮工場昭和42年の銘板があった。車両はきちんと塗装されているが、車内は荒れていて入室することはできなかった。

  なお、リンクとは、台車枠へのバネの取り付け方法のことで、1段リンクでは走行中の蛇行から高速走行に制限があり、リンクを2段にする2段リンク化することによって高速化が可能となった。現在の貨車はすべて2段リンクである。
 それにしても、貨物列車を編成単位で展示しているというのは素晴らしいことで、この公園には別の場所に蒸気機関車も展示されていたし、ミニSLの運行も行われていて鉄道に対する愛着の深いことがうかがい知れた。

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(写真3 貨物列車の編成を最後尾の車掌車側から見たところ)