ABABA’s ノート

旅と鉄道、岬と灯台、読書ときどき映画あるいは美術に関するブログです。

レムフ10000の車掌室

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(写真1 レムフ10000全景)

シリーズ車掌車を訪ねて

 鉄道博物館に展示されている。車両ステーションの左側最も奥に展示されており、EF66に連結されてコキ50000とレムフ10000が並んでいる。
 レムフ10000形貨車とは、鮮魚専用高速貨物列車用冷蔵車で、同じく冷蔵車レサ10000形に車掌室が付いた形式のこと。なお、形式記号のレムフはレ=冷蔵車、ム=積載重量14トン~16トン、フ=緩急車(車掌室、手ブレーキ付き)を表す。
 トラック輸送との競争が激化してきた昭和41年に開発され、時速100キロ走行が可能となり東海道・山陽本線に投入された。下関発東京行きを「とびうお」、大阪行きを「ぎんりん」との愛称がつけられていた。また、高速化のために貨車で初めて空気バネ台車を採用したほか、応荷重式電磁自動空気ブレーキも採用されている。
 牽引したのはロクロクの愛称で親しまれているEF66直流電気機関車で、高速貨物輸送専用機。レサ10~20両程度の編成だったようで、最後尾にレムフが連結されていた。なお、運搬品は高級鮮魚類が主だったらしい。

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(写真2 冷蔵車に設置された車掌室部分)

 レムフ10000は、冷蔵室の白い車両の後尾に青い車掌室がくっついていて、とってつけた印象がある。しかし、社内はしっかりした設備。事務机と椅子と長椅子。石油ストーブにトイレも付いている。長時間業務にも対応できるというわけである。車掌車としてはヨ8000形に近い内容であろうか。
 私は、貨物列車の最後尾に車掌車を連結してもらい、究極の書斎として貨物列車の行くところそのままに全国をふらふらと旅をするのが念願だが、この車掌室ならうってつけだ。しかも、車掌室を設置するために空気バネ台車を採用しており、走行中の振動も低いようだから素晴らしい。
 この高速貨物列車は、下関-汐留間1000キロを17時間で結んだということだから途中下車するには難しいだろうが、移動書斎には最適だ。

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(写真3 車掌室内部。素晴らしい設備内容である)