ABABA’s ノート

旅と鉄道、岬と灯台、読書ときどき映画あるいは美術に関するブログです。

追悼特別展「高倉健」

f:id:shashosha70:20180615141300j:plain

(写真1 展覧会のチラシ)
いわき市立美術館で
 いわき市立美術館で開催されている。2年がかりで全国を巡回してきた。大変な人気だったのであろう、ここが全国9館目だった。
 会場には、ポスターやスチール写真から映画の脚本などが展示されていた。代表作でありヒット作品である「日本侠客伝」や「網走番外地」「昭和残侠伝」といったシリーズが紹介されていたし、鶴田浩二や池部良、藤純子なども登場していて懐かしいものだった。
 作品は年代順に並んでいるのだが、フリーになった1976年の「君よ憤怒の河を渡れ」から作品傾向がはっきりと変わっていて、「幸せの黄色いハンカチ」「駅 STATION」「鉄道員(ぽっぽや)」へとつながっていた。

f:id:shashosha70:20180615141411j:plain

(写真2 モニターに見入る姿も多く見られた会場の様子)
 高倉は、2014年に83歳で亡くなったが、この間、205本の映画に出演したとのこと。会場には30台ものモニターやプロジェクターが設置され、全出演作品について映像が流されていた。1本あたり数分程度のもののようだが、画期的な展示方法だった。
 会場では、足を停めて映像に見入る姿が多く見られ、変わらぬ人気ぶりを示していた。平日でもあったからだろうが、多くは中高年、それも女性の姿が目立っていた。
 高倉健の魅力とは何だろうか。侠客ものでは義理と人情に厚く、ストイックな姿が多くの支持を集めたのだろうし、晩年の作品でも、多くを語らず物静かで不器用な役回りが共感を得たものであろう。

f:id:shashosha70:20180615141500j:plain

(写真3 横尾忠則作「新網走番外地」のポスター=会場で販売されていた絵はがきから引用)