ABABA’s ノート

旅と鉄道、岬と灯台、読書ときどき映画あるいは美術に関するブログです。

とみあさ公園のヨ13973

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(写真1 とみあさ公園の車掌車ヨ13973)
シリーズ 車掌車を訪ねて
  とみあさ公園は、栃木県佐野市所在。東武佐野線・JR両毛線佐野駅からタクシーで約5分ほど。佐野市文化会館に近く、住宅街の中にある。
 公園は、子ども向けの遊具があるほかはベンチも少なく広い敷地があるだけ。訪れた日は平日の午前中だったから閑散としていた。
 車掌車はその一角に線路に載せられ1両だけぽつんと鎮座していた。

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(写真2 車両側面)
 車体には、ヨ13973と車両番号が記され、形式ヨ3500と示されていた。これは当初ヨ3500形として製造され、その後、2段リンク化の改良が行われ、ヨ5000形に変更となったと読める。ヨ3500形として製造された際の車両番号は3973であり、5000形に改良された際に10000番が付与されたものである。
 調べてみたら、この車両は、1952年に多度津工場で製造され、その後、1967年に鉄道車両工業において2段リンク化の改造が行われたもののようだ。
 なお、2段リンクとは、2軸車の走り装置のことで、1段リンクに比べ高速化が可能となり、多くは貨車に適用された。つまり、2段リンク化とは、1段リンクを2段リンクとする改造のことである。
 車両はシンプルに保存されていて、自由に出入りできるようになっている。ただ、窓枠は外されており、車内の設備にも変更が加えられ、長いベンチが付け加えられていた。休憩所としての利用を念頭に置いたものであろう。
 この周辺は、古くから石灰輸送など貨物需要が高く、この車両も往時、あるいは長大な編成となる貨物列車の最後尾に連結されて活躍していたものかも知れない。

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(写真3 車両内部)