ABABA’s ノート

旅と鉄道、岬と灯台、読書ときどき映画あるいは美術に関するブログです。

東武伊勢崎線

f:id:shashosha70:20180528205115j:plain

(写真1 浅草から全線114.5キロの伊勢崎線の終点伊勢崎駅)
両毛地方東武鉄道乗り歩き③
 伊勢崎線(愛称:東武スカイツリーライン)で越谷や草加あたりから都心へ通っている人でも、路線名にはなっていても終点の伊勢崎駅まで行ったことのある人は少ないのではないか。伊勢崎市がどんな町か知らない人が多いのではないか。
 実は、伊勢崎線は、浅草駅と群馬県伊勢崎市の伊勢崎駅を結ぶ全線114.5キロの長大路線で、私鉄としては最長路線なのである。
 ただし、全区間通し運転されている列車は、下りが浅草19時40分発特急りょうもう41号のみで、伊勢崎到着は21時37分。一方、上りも伊勢崎7時22分発特急りょうもう10号のみで、浅草到着は9時19分となり、上下わずかに各1本ずつ。
 終点伊勢崎から見れば、大半の列車は館林あるいは太田との区間運転で、それも普通列車ばかり。しかも、日中の11時から16時の間の伊勢崎駅発着の列車は1時間に1本の割合である。
 浅草を出た列車は、館林あるいは太田までは特急、区間急行、区間準急などと頻繁にあるのだが、伊勢崎まで届く列車が極端に少ないのである。越谷までは日本で最長の複々線区間だし、館林までも複線区間なのだが、館林-伊勢崎間だけは単線なのである。
 今回の東武鉄道の旅は館林駅が基点だったが、館林から太田へは伊勢崎線のバイパスのような小泉線を使ったから、伊勢崎線としては太田から伊勢崎までを普通列車で乗り通してみた。
 太田は大きな駅。伊勢崎線に小泉線と桐生線がここで接続しているし、太田市の人口約22万は群馬県で高崎市、前橋市に次いで第3位。2面4線の高架駅で、1階に南北自由通路がある。北口目の前にはスバルの大工場があり、スバルの企業城下町なのである。工業出荷額は群馬県第1位。
 その太田を12時22分発普通列車伊勢崎行きに乗車。この列車も館林から来た電車で、3両編成だが、ワンマン運転である。乗客は小泉線などに比べ断然多い。運転本数が少ないからなのか、幹線だからなのか。
 高架線だから見晴らしはいい。住宅が広がっている。このあたりは桐生にしろ工業が盛んで人口10万人以上の都市が多い。
 そうこうして伊勢崎12時47分到着。わずか25分の乗車。
 伊勢崎駅は、JR両毛線との共用駅で、ホームが並んでいる。JRは2面3線、東武は1面2線のホームである。駅の利用者が多くてにぎわっている。
 伊勢崎市は人口21万と太田市とほぼ拮抗して県下第4位。繊維産業で古くから栄え、工業出荷額は自動車の太田に次いで県下第2位である。伊勢崎市は現在も人口増加が続いているそうである。
 伊勢崎線は、北千住-久喜間が開通した1899年が始まり。東武鉄道の創業路線であり、その後延伸を重ね、1910年に浅草から伊勢崎までの全線が開業した。
 現在の伊勢崎線は、館林までの都心への通勤圏としての路線と、館林から先、太田から伊勢崎に至るローカル線としての色彩を持つ二つの顔を持った路線ということができそうだ。

f:id:shashosha70:20180528205218j:plain

(写真2 東武鉄道の要衝館林駅)