ABABA’s ノート

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花まつりコンサート

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(写真1 コンサート会場、開演前の様子)
演奏者との交流も楽しく
 釈迦の誕生を祝う降誕会のコンサートが4月8日横浜市の曹洞宗大本山総持寺境内鶴見大学記念館で開催された。
 この日はお釈迦様の誕生日であり、初めに総持寺高屋継仁老師による声明奉演が行われた後クラシック音楽のコンサートに移った。
 コンサートは、森知英のピアノ&コンサートコーディネーターによって進められ、出演は、ヴァイオリン宮川正雪、同冨沢由美、ヴィオラ臼木麻弥、チェロ西山健一。コンサートは今年が9回目だが、森さんは第1回からコーディネーターをつとめていらした。
 曲目は、演奏順に、ショパン:ピアノ協奏曲第1番ホ短調作品11より第3楽章。ピアノの詩人と讃えられるショパンにしては珍しくピアノ協奏曲はわずかに2曲。大変著名な曲だが、好事家によればこの曲は本来第2番だったとのこと。そのことはともかく、協奏曲だから本来オーケストラを背景に演奏されるものだが、この日は弦楽四重奏によって演奏された。これはこれでなかなか趣向のあるものだったし、森さんのピアノはこれまでもたくさん聴いてきているが、この日の演奏には伸びやかさがあるとともに艶があった。
 次ぎに独奏が4曲続き、初めにバーンスタイン:ウエストサイドストーリーから「マリア」と「トゥナイト」。今年はバーンスタイン生誕100年に当たるが、とてもポピュラーな曲で楽しめた。ヴァイオリン独奏は冨沢由美さん。
 続いてモンティ:チャルダシュ。ハンガリーの民族音楽の様相が濃く、私には天満敦子さんの「望郷のバラード」が想起された。そして何よりも独奏した宮川正雪さんの超絶テクニックに感嘆した。
 3曲目がフォーレ:エレジー。チェロの名曲として知られ、演奏は西山健一さん。さすがにチェロの第一人者による演奏で感心した。
 次ぎにドヴォルザーク:ソナチネト長調作品100より第1楽章。臼杵麻弥さんによる独奏で、ヴィオラの独奏というのも私には珍しい。門外漢の私にもヴァイオリンにはない魅力が感じられた。
 最後はドヴォルザークのピアノ五重奏曲イ長調作品81より第3・4楽章。
 音楽愛好家に限らず一般の市民を対象にしたコンサートということもあって、ポピュラーな曲が多くて親しみやすく楽しめた。
 なお、コンサート終了後は、近所のイタリアンレストランに会場を移し、有志が演奏家を囲んで懇談した。
 私もこのコンサートにはここ数年毎年足を運んでいて、演奏家の皆さんと交流できたのは幸運だった。特に森さんには懇意にさせていただいていて、日頃は縁遠いクラシック音楽に直接ふれあう機会をもらってありがたいことだった。

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(写真2 コンサート後の懇談会で演奏家の皆さんと。左端が森知英さん)