ABABA’s ノート

旅と鉄道、岬と灯台、読書ときどき映画あるいは美術に関するブログです。

岩波ホールが創立50周年

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(写真1 ロビーに掲示されている上映した映画のパンフレット)
独自のコンセプト貫く
 岩波ホールが創立50周年を迎えたという。ミニシアターの先駆け的存在で、1968年2月9日の開館である。
 白山通りと靖国通りがクロスする神保町交差点の角、岩波神保町ビルの10階にある。客席数は約220席。
 ミニシアターとは、明確な定義は難しいが、大手の配給系列によらず、独自の方針で上映する映画を選定しているところが多く、大方の場合、海外の名画などを発掘して上映している映画館と言える。ただ、名画座とも似たような位置づけになり、ボーダーレスな映画館も少なくないが、名画座が過去の作品のリバイバル上映を中心としているのに対し、ミニシアターは新作映画の上映に重きをなしている。なお、ミニシアターという言葉が登場してきた数十年前はともかく、現在では客席数の多寡による分類はあまり意味をなさないのが実情であろう。
 岩波ホールについては、設立以来の総支配人だった高野悦子の存在が大きいのではないか。すなわち、エキプ・ド・シネマ(フランス語で映画の仲間の意)を標榜し、世界中から名作を発掘してきた。だから、ロードショーを打つほどの大作はないものの、根強い映画ファンが岩波ホールを支えてきたとも言える。
 そのコンセプトは今日に至るも堅守されているようで、創立以来上映された映画の製作国は50カ国を超えていると何かで読んだ記憶がある。極めて重要で大きな仕事である。
 岩波ホールでは、現在、岩波ホール創立50周年記念作品第1弾としてジョージア映画『花咲くころ』を上映中だが、そのロビーには、これまでに上映した作品のパンフレットが壁に張り出されていて、その足跡がわかるようで興味深かった。
 私自身は年来の映画ファンで、岩波ホールにも開館以来足繁く通ってきた。特に、イングマール・ベルイマンやアラン・レネの作品は目を輝かせて見ていたものだし、ポーランド映画特にアンジェイ・ワイダの作品を一貫して取り上げてきた功績も見逃せないものであろう。
 この1年だけでも岩波ホールで私が見た映画は、ステファヌ・ブリゼ監督『女の一生』(フランス映画)、テレンス・デイヴィス監督『静かなる情熱』(イギリス=ベルギー映画)、アンジェイ・ワイダ監督『残像』(ポーランド映画)、アフィア・ナサニエル監督『娘よ』(パキスタン映画)、ルキーノ・ヴィスコンティ監督『家族の肖像』(イタリア映画)とあって少なくない。
 また、この数年まで幅を広げれば、『少女は自転車にのって』(ハイファ・アル=マンスール監督、サウジアラビア)、『風にそよぐ草』(アラン・レネ監督、フランス)などは今に至るも印象深い。

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(写真2 岩波神保町ビルの入口に架かっている看板)