ABABA’s ノート

旅と鉄道、岬と灯台、読書ときどき映画あるいは美術に関するブログです。

敦賀半島最北端の立石岬灯台

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(写真1 敦賀半島最北端に建つ立石岬灯台)
若狭湾西側に突き出た半島
 このたびの北陸旅行では、まず初めに立石岬を訪ねた。
 立石岬は、福井県敦賀市所在。大きくは若狭湾の西側に小さく突き出た敦賀半島にあり、その突端で立石岬灯台が敦賀湾を守っている。湾奥には敦賀港がある。
 11月27日11時30分、北陸本線敦賀駅前をレンタカーで出発。敦賀湾の東岸をどこまでも北上していった。小さな湾だし、この日は風がなかったせいでもあるのだろうが、海上がとても穏やかだ。せいぜい数キロ程度か、すぐ対岸が越前海岸である。途中、岬の付け根に敦賀原発があった。テロでも警戒しているのか、写真を撮ることも拒まれた。また、半島の反対側には美浜原発もあり、このあたりはまるで原発銀座だ。
 約20分で行き止まり。立石漁港である。ここから徒歩で海伝いに進むと約10分で灯台への登り口。見上げるように急な石の階段が続いており、喘ぎながら登った。この日は陽気も良かったから、帽子もマフラーもコートも脱いでも汗ばむほどだった。
 20数分も登ってやっと灯台の頭が見えてきた。さらに踏ん張って頂上に出た。眼下に敦賀湾が一望にできた。美しい風景だ。大変眺望の良いところで、どうやら敦賀湾の湾口に位置するらしく、船舶がしきりに往来しているのが見て取れる。右手つまり南が敦賀港で、左手つまり北には若狭湾が望めた。対岸には越前海岸が大きくはだかっている。

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(写真2 敦賀湾を眼下に望む。対岸にはだかるのは越前海岸)
 灯台は真っ白。三段になった塔形で、最下部は石造りになっている。灯高は7.95メートルとさほど高くはないが、何しろ海面からの灯火標高が122メートルとあって、敦賀湾に出入りする船舶にとっては重要な位置をになっていることがわかる。
 1881年の初点で、石造り灯台としては初めて日本人の手によって設計から施工まで行われた洋式灯台だとのこと。当初はフレネル式レンズが使われていたらしいが、現在はLB-40型灯器に変わっていた。燈光会が設置した看板によると、灯台の位置は北緯35度45分44秒、東経136度01分07秒で、光り方は単閃白光毎10秒に1閃光、光りの強さ15.0万カンデラ、光りの届く距離20.5海里(約38.0キロメートル)とあった。
 灯台の敷地はさほど広くはなく、かつてはここに灯台守の官舎があったというが、ちょっと想像しにくかった。敷地内には日時計があって、ちょうど午後1時を指していた。
  なお、敦賀市の市章にはこの立石岬灯台がデザインされているという。敦賀市民にとってシンボルのような存在なのだろう。

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(写真3 灯台の上部。立石岬灯台は敦賀市章にもデザインされている)