ABABA’s ノート

旅と鉄道、岬と灯台、読書ときどき映画あるいは美術に関するブログです。

グループ窓の展覧会

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(写真1 会場で呉炳学氏の作品を前に左から成川雄一、呉炳学、三浦千波の皆さん)
情熱がぶつかり合う
 グループ窓の展覧会が神田神保町の檜画廊で開かれている。
 構成メンバーは、戸田忠祐、呉炳学、西條紀子、成川雄一、三浦千波の5氏。
 私は、かねて知己を得ている三浦さんからの案内で会場を訪れたのだが、会場に一歩入ってびっくりした。個性と個性が響き合い、ほとばしる情熱がぶつかり合っている様子のなのである。
 しかも、聞けばメンバー構成が面白くて、呉氏93歳、戸田氏89歳、成川氏80歳などと高齢で、若年は三浦さんの60歳。
 グループの成り立ちはわからないが、お互いに響き合う者たちが切磋琢磨して集まっているという印象だ。グループ展はここ3年続けて開催していてこれが3回目だとのこと。
 最高齢の呉さんの作品は豊かな色彩に大胆なタッチが特色で、大きな構想が感じられた。とても90歳を超した方の絵とは思われない力強さだった。また、三浦さんも個展で見せていたものとは印象の違う作品を出品していて、こちらも女性とは思われない大きな筆運びで、同じ会場で並べてみると、呉さんと三浦さんの絵は似たような系譜のようにも見えたが、この印象は見当はずれであろうか。
 会場で呉さんにお話を伺ったところ、93歳の今日も毎日描いているとのこと。せめて95歳までは続けたいと控え目な希望を述べていた。呉さんは具象画だが、「抽象がないと具象がまとまらない」と述べていて、具象と抽象を一緒に併せ持ったセザンヌの絵が好きだと語っていた。