ABABA’s ノート

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溶接技量日本一競う

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(写真1 競技会場を俯瞰した様子。IHI横浜事業所で)
横浜市で第63回大会開催
 溶接技能者の技量を競う全国溶接技術競技会(日本溶接協会など主催、産報出版協賛)が横浜市で開催された。21日土曜日に横浜ロイヤルパークホテルで開会式が行われた後、昨日22日日曜日にはIHI横浜事業所で競技が行われた。神奈川県で全国大会が開催されたのは2001年の第47回大会以来16年ぶり。
 出場したのは、全国47都道府県の代表112名。溶接方法の違いによって二つの競技種目があり、被覆アーク溶接(いわゆる手溶接つまりマニュアル溶接)と炭酸ガスアーク溶接(いわゆる半自動溶接つまり溶加材の送給が自動になっているものの溶接そのものはマニュアル)にそれぞれ56名ずつに別れて競技を行った。
 全国大会は日本一を競うだけに独特の雰囲気。しかも出場者は予選にあたる各都道府県大会を勝ち抜いてきた実力者ばかり。
 溶接は、技量によるところの大きい職種。それだけに日頃の研鑽による技量の向上が重要で、数多い技能職種の中でもコンクールの開催が盛んな職種となっている。
 競技は、各種目10人ずつが一組となり6班に別れて進められたが、競技場はこの大会のために特設されたもので、1班20人が横一列になって一斉に競技を行うことができるようになっていて素晴らしい設営だった。
 競技課題は両種目とも同じ二つで、試験材の厚さによって薄板(板厚4.5ミリ、横向溶接、突合せ継手はI、V、レ形のいずれか、裏当金なし)と中板(板厚9.0ミリ、立向上進溶接、V形突合せ継手)となっている。競技時間は55分。この時間内に二つの課題を仕上げることとなる。

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(写真2 溶接の模様。これは炭酸ガスアーク溶接の部の競技)
 競技の進行を見守っていたが、さすがに都道府県の代表となっている精鋭ばかり、スムーズな段取り。練習も十分に積んでいるはずで、難しい課題への克服も研究してきているはず。ただ、日頃の技量が発揮できれば何の問題もないはずの実力者ばかりだが、全国大会特有の緊張感が選手を苦しめている。しかも、これまでの大会では微妙な失点で大きく順位が変わることがはっきりとしておりなおさら緊張感が高まる。
 競技を終えた試験材は様々な試験と検査によって採点されていく。溶接ビード(溶接した部分)の外観試験、溶接部のX線試験(放射線による透過試験で内部に欠陥があれば影ができる)、曲げ試験(試験材を強い圧力で曲げて溶接部の健全性を試験する。欠陥が大きければ破断する場合もある)などのほか細かな試験と検査が行われる。
 総合点は800点満点で、上位はわずか1点から数点の差で順位が大きく変動する厳しさだ。
 この大会に出場できること自体が、都道府県大会の最優秀者ということだから大変な名誉であり、その腕自慢ばかりが日本一を争うわけだから当然熱戦となる。
 なお、今年は出場選手の中に女性が2名含まれていた。これまでも女性が代表になって出場していたことはあったものの、複数名が出場したのはこれが初めてではなかったか。近年少しずつだが広がってきている溶接女子のこれが本格的な盛り上がりのきっかけとなるよう期待されるところだった。

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(写真3 熱戦が飛び交う競技場の模様。右の列が競技ブース、左は見学者の列)