ABABA’s ノート

旅と鉄道、岬と灯台、読書ときどき映画あるいは美術に関するブログです。

城下町の風情松江

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(写真1 松江城天守。国宝に指定されている現存天守である)
水の都を歩く
 松江はなかなか魅力的な町。もとより島根県の県庁所在地だが、山陰きっての観光地であり中心都市でもある。人口は山陰最大。
 ぐるっと松江レイクラインというレトロな観光バスが市街中心を巡っている。JR松江駅が起終点で、一周が約50分、一方通行だがこれで主だった見どころは回れるようだ。乗り降り自由の1日乗車券が500円。
 松江は、そもそも宍道湖から中海に注ぐ大橋川の両岸に開けた街で、このバスに乗っていると川を何度も渡る。松江大橋、宍道湖大橋、くにびき大橋などという具合。バスは渡らなかったが新大橋というのもあった。
 松江の魅力はいくつもあるようだが、ハイライトの一つは松江城だろう。実に国宝の現存天守である。現存天守そのものが全国に12しかなく、しかも国宝に指定されているものは5つしかない。
 松江城は平山城で、天守は小高い丘の上に建っている。ちょっと変わった形で、二重の櫓の上に二重の望楼をのせていて、望楼型と呼ばれるらしい。また、入口に附櫓があるのも面白い。
 最上階に登ってみると、四方を遮るものなく望むことができ、実に見晴らしがいい。市街中心のやや北側に位置しているらしく、南に宍道湖が大きく見えた。

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(写真2 堀沿いに連なる塩見縄手の街並み)
 城跡も良く整備されているし、城下町も塩見縄手などと武家屋敷が往時を偲ばせてなかなか風情がある。堀が残っているのも松江の魅力で、遊覧船が堀巡りをしている。宍道湖があり大橋川があり、堀が幾重にもあって松江は水の都と呼ばれている。
 そう言えば、塩見縄手は堀沿いに連なって城下町の風情が残る街並みだが、その一角にあった小泉八雲旧居の玄関先で見た薄紫色の花に目を奪われた。ルリヤナギ(瑠璃柳)というのだそうで、小さな景色だが、旅先でこういう場面に出くわすと思わず心が和む。
 松江の名物は夕日だ。2泊した滞在中には曇りばかりで生憎と見ることはできなかったが、数年前に湖畔の宿から見た夕日はたいそう素晴らしいものだった。
 松江の食についても触れておこう。宍道湖はしじみで知られるが、そば屋でも寿司屋でもしじみ汁が出された。これが実に美味い。やはり出汁にするしじみが新鮮なのであろう。
 しかし、食といえばやはり出雲そばだろう。割子そばが有名だが、丸くて底の浅い漆器にそばが入っていて、つゆをかけて食べる仕組み。三段になっているのが一般的なようで、好みによって薬味などのせる。そばは黒く、おおむね太い。洗練さにはやや欠けるが、その分そば本来の味が楽しめた。
 そば屋でも寿司屋でもいっぱいやった。酒がことのほか美味い。そば屋で飲んだ奥出雲仁多米純米酒がことのほか良かった。近年全国的にも知られるようになってきた仁多米(にたまい)の本場だが、冷やでいただくときりっとした風味が味わえた。また、寿司屋でいただいた、隠岐の酒だという高正宗や、奥出雲の簸上正宗などと個性ある酒が多くて飲み過ぎた。

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(写真3 出雲名物割子そば)