ABABA’s ノート

旅と鉄道、岬と灯台、読書ときどき映画あるいは美術に関するブログです。

大湊線は本州最北鉄道路線

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(写真1 大湊線は陸奥湾に沿ってあくまでも直線に平坦に伸びる絶景路線)
駅間距離が非常に長い
 このたびの津軽海峡旅行では、下北半島をひたすら北上したのだが初めはJR大湊線を利用した。
 大湊線は、青い森鉄道と接続する野辺地駅から大湊駅を結ぶ路線で、終始陸奥湾を左窓に見ながら、つまり、半島を鉞になぞらえればその柄の部分を海沿いに進む。全線58.4キロ、駅数は11である。
 もとより大湊線はJRだが面白い路線で、実はまったく他のJR線と接続していないのである。JR線だけの路線図を描いたら、この大湊線だけが浮き上がっているのではないか。これは東北本線が青い森鉄道に転換されたからなのだが、このような孤立路線はJRでは日本中で唯一この大湊線だけなのである。

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(写真2 野辺地駅構内にある日本最古の鉄道防雪林)
 9月3日日曜日野辺地8時02分発大湊行き。2両のディーゼルワンマン運転。
 なお、この野辺地駅構内には「日本最古の鉄道防雪林」が残っていて、実に見事な美しい杉林である。また、かつては野辺地駅から七戸駅を結ぶ南部縦貫鉄道という小さな路線があって、ゲージは一般の鉄道と同じだが、まるでマッチ箱のような可愛らしいレールバスが走っていたものだった。駅舎側からは離れた鉄道防雪林のそばにホームがあったが、廃線になって20年ほどにもなるか。
 さて、大湊を出た列車は北野辺地を経て早くも陸奥湾に面する。地図で見るとほぼ直線的に北上していて、実際、まっすぐな線路がどこまでも伸びている。
 しかも、駅間距離が各駅間ともにとても長い。有戸-吹越間など13.4キロもある。海峡や瀬戸内海を渡ったりする路線や北海道内を除けば、本州では最大駅間距離ではないか。
 直線で、駅間距離も長く、しかも平坦となれば当然表定速度も高くなり、実に快速列車では70キロに近い。この日乗車していた普通列車でもほぼ60キロだった。
 この日は快晴だったからそうでもなかったが、陸奥湾を渡ってくるせいかこの路線は風が強いようで、あちこちに「風」標識が立っていて、運転士に注意を喚起している。
 列車は淡々と進む。左窓の陸奥湾の前方に恐山が見えている。有畑を過ぎたあたりからは左にゆるやかにカーブしていてなかなかの絶景路線である。正面に恐山が迫ってくれば大湊行き止まりの終着駅である。9時04分の到着。

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(写真3 恐山の麓終着大湊駅に接近する列車)