ABABA’s ノート

旅と鉄道、岬と灯台、読書ときどき映画あるいは美術に関するブログです。

烏城と岡電

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(写真1 岡山市内を走る岡電。城下付近で)
お城と路面電車が似合う岡山
 岡山は、お城と路面電車が似合う街。人口70万を超す政令指定都市という大きな都会だが、市街中心部は路面電車と徒歩で楽しく回れる。
 路面電車は岡山電気軌道(通称岡電)が運営していて、東山線と清輝橋線の二つの路線がある。
 二つの路線とも岡山駅前発着で、東山線は、三つ目の城下(しろした)が烏城公園や後楽園への最寄りの停留所。
 ここから緩い坂道を登るとほどなく烏城公園。旭川の畔に岡山城がそびえている。いくつかの櫓などが重要文化財に指定されているほか、美しい再建天守が黒光りして輝いている。この天守が黒光りしていたところから通称烏城と呼ばれるようになったものらしい。宇喜多、小早川と続き池田家が治めた。

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(写真2 後楽園から眺めた烏城天守)
 天守から旭川の対岸が後楽園で、橋で渡ることができるようになっている。日本三名園と呼ばれるようになるほど美しい庭園だ。金沢の兼六園ほどの規模はないが、水戸の偕楽園よりは整っているのではないか。
 この周囲には美術館も多く、散策して楽しい。特に林原美術館のあたりは古い街路に往時の石垣も残っていて興味深い。文化的都会という印象を強くさせてくれている。
 城下を出ると電車は右折し県庁前、西大寺町と過ぎて今度は左折し旭川を渡る。この先も右に左にと曲がって終点東山へと至る。角の多いのは城下町の風情だろうか。東山には車庫があって、オカデンミュージアムという鉄道博物館が隣接してあった。歴代の車両などが展示されているようだった。
 なお、橋を渡ってすぐの小橋という停留所ではホームがなくて、路面に直接放り出されるように思われた。もちろん、車内放送では注意するよう呼びかけてはいたが。
 一方、清輝橋(せいきばし)線は、岡山駅前を出ると二つ目の柳川で右折し、岡山の中心を北から南へと直進する。終点が清輝橋である。なお、清輝橋線で岡山駅前方面に進み、柳川で東山線に乗り換えることができる。運賃は、あらかじめ清輝橋線で払っておき、その旨乗務員に告げると乗り継ぎ乗車券が至急される仕組みのようだった。
 岡山の路面電車は路線が二つだけだが、市街中心を走っていることでもあり乗客の乗降が頻繁だ。料金は一律140円で、駅前から城下までの区間なら100円である。
 ところで、岡山の街路は、通り名が柳川筋とか烏城道などとあって、これは関西風だ。そう言えば、夜に寿司屋でいっぱいやったら、置いてあった醤油が甘ったるくてこれには閉口した。これも関西風で、岡山は関西の文化圏なのであろうと思われた。
 寿司のネタも東京とは随分と変わっていて、処変われば品変わるというから、これはこれで結構なのだが、コハダなどはなくて、ママカリがあった。これもうまかったし、カンパチなど全般に瀬戸内の肴が楽しめた。

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(写真3 街路には往時の石垣が残っていて散策に楽しい)