ABABA’s ノート

旅と鉄道、岬と灯台、読書ときどき映画あるいは美術に関するブログです。

吉備路をゆく井原鉄道

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(写真1 神辺駅で発車を待つ井原鉄道列車)
全鉄道踏破に要注意区間あり
 広島に2泊した後は岡山に移動し1泊した。
 山陽本線をゆるゆると上り、福山駅で福塩線に乗り換え、神辺(かんなべ)駅で井原鉄道に乗り継いだ。なお、福山駅で福塩線は8番ホームから出るのだが、目の前に福山城址が迫っており、重要文化財に指定されている櫓が美しい姿を見せている。
 福山から神辺は三つ目、すぐに井原鉄道に乗り換え。井原鉄道は、福塩線の神辺駅から伯備線の総社駅間を結ぶ全線41.7キロ、旧井原線を転換した第三セクター鉄道路線。駅数は15。中国山地の山裾を広島県から岡山県にまたがって東西に走っている。
 5月26日。神辺駅。片側1線のホーム。JR1番線ホームから自動改札で乗り継ぐことができる。9時25分の発車。総社行き。1両のディーゼルワンマン運転。
 御領で神辺行きと行き違い。単線である。この先が広島-岡山県境。神辺を出てしばらくは高架上を走っていたが、平地に降りて井原9時40分。沿線の中心で、大半が下車してしまい残った乗客は一人のみ。
 小田川というのか、時折、川と寄り添う。沿線は宅地と田畑地が続くのどかな風景で、住宅の屋根は黒光りする瓦屋根が多く見られた。その後乗降があったが、途中、吉備真備(きびのまきび)などという駅があった。遣唐使吉備真備ゆかりの地だということである。また、次の川辺宿では金田一耕助のふるさとという案内があった。金田一耕助は横溝正史の人気シリーズに登場する探偵だが、第1作『本陣殺人事件』の舞台がここだったのかも知れない。

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(写真2 清音駅では井原線とJR線とは改札で結ばれている)
 そうこうして清音10時18分着。左から伯備線に合流した。大半の乗客が下車してしまい、そのまま乗っていた者は二人のみで、新たに乗ってきた者はいなかった。
 清音駅は、JRの2番線3番線の倉敷方を仕切って使用していて、井原線との間には改札が設けられていた。ここで7分停車して発車。
 列車はこのまま次の総社まで進む。清音-総社間はJR伯備線との共用区間で、井原鉄道がJRから借りている形となっている。ただし、JRのきっぷで乗車することはできない。もちろんその逆も同様。
 だから、例えば、青春18きっぷのようなJRのきっぷで、井原鉄道の清音-総社間の列車に乗ることはできない。
 ということは、もし、日本の全鉄道全線踏破を目指すなら、この清音-総社間は、JR線と井原線と両方の列車に乗らなければ不完全ということになり、要注意である。まったく同じレールの上を走っているのだが、そういうこと。
  それはともかく、総社10時29分到着。総社駅は、桃太郎線の愛称で親しまれる吉備線の接続駅である。

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(写真3 総社駅に入線する井原線列車。左端の5番線到着)