ABABA’s ノート

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展覧会『日本、家の列島』

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(写真1 ミュージアムで配布されていたパンフレットから引用)
パナソニック汐留ミュージアム
 住宅建築の展覧会である。4人のフランス人建築家らが日本の住宅に注目、ヨーロッパで行った展覧会の巡回帰国展である。
 会場は、港区東新橋。高層ビルが建ち並ぶ大規模再開発で賑わいを見せる汐留地区にあるパナソニック東京汐留ビルの4階。新橋駅から徒歩約8分。
 作品は、写真や模型、スケッチ、ドローイングなどで表現されており、「昨日の家」、「今の家」、「東京の家」の三つのカテゴリに分けて展示されている。
 まず、昨日の家では、前川國男、清家清、丹下健三、吉田五十八、安藤忠雄、伊東豊雄ら日本を代表する建築家の作品が写真や図面、模型などで紹介されている。
 前川國男/前川國男邸、安藤忠雄/住吉の長屋などと著名な作品が多くてとても興味深いものだった。清家清の斎藤助教授の家では寝殿造が採り入れられ、丹下健三の住居でも書院造が表現されていて面白かった。
 今の家には、現代に活躍する20人の建築家の作品が展示されていた。中には、隈研吾/鉄の家、中山英之/O邸、坂茂/羽根木公園の家、吉村靖孝/窓の家などが斬新なデザインで感心した。
 また、東京の家は、36人の作品が紹介されていたが、いずれもジェレミ・ステラという写真家の撮影によるシリーズで、写真のみの展示だった。ここには、妹島和世/梅林の家、西沢立衛/森山邸などが展示されていた。
 この展示会では、総勢60にも及ぶ建築家の作品が一堂に展示されていて大変興味深いものだった。それも、いずれも戸建て住宅ばかりの展示だったから、日本の住宅建築のデザインの様子がわかって面白かった。
 まったくの門外漢ながら建築への興味は根強くあって、街の散策でも住宅の佇まいを見ながら歩くのが好きで習慣にしている。建物そのものの意匠のみならず庭の様子や塀のことから街並みまでが見ていて楽しい。
 私は三度家を持ったが、結局平凡な家となった。家は三度建て替えなければ満足するものは得られないとはいわれるが、ただ、予算に当然限りはあるわけで、そういう中では現在の住まいに大きな不満はない。
 このたびの展示会を見て、面白いなとか、素晴らしい家だなとか受け止めた家はあったが、この家なら住んでみたいと思わせられた家は実は1軒もなかった。
 知人友人の家を訪ねていった経験で、日本を代表する著名な建築家の設計になるものでも、住んでみたいという家はやはり少ない。住む人の要望は多様なものだろうから、なかなか難しいものである。