ABABA’s ノート

旅と鉄道、岬と灯台、読書ときどき映画あるいは美術に関するブログです。

筑豊電気鉄道

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(写真1 筑豊直方駅で発車を待つ電車)
まるで路面電車
 平成筑豊鉄道伊田線を起点である直方で終わらせて、筑豊電気鉄道(筑鉄)に乗り換えた。
 直方は博多と小倉双方に結ぶ福北ゆたか線の中間にあって福岡県内陸部の拠点となっている。折尾のように幹線上の駅はともかくとして、石炭で栄えた駅の中では直方は上手に方向転換していると言えるのではないか。駅の賑わいをみてそのように感じた。
 この直方から黒崎さらには小倉へと向かうには折尾を経由せず短絡の位置にあるのが筑鉄で、筑豊直方から黒崎駅前を結ぶ路線である。全線16.0キロ。
 JRの直方駅から筑鉄の筑豊直方駅を目指したのだが、両者の間は徒歩で10分ほども離れていた。筑豊直方駅周辺のほうが旧市街地という様子だった。

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(写真2 筑豊直方駅)
 筑豊直方駅は駅ビルというほどのこともないような建物の高架上にホームがあった。2面2線のホーム。ICカードは利用できるが、キップ売り場も自動券売機もない珍しい駅で、改札口もなかった。
 車両は路面電車と同じタイプ。ただし、れっきとした鉄道で、全線専用軌道を走る。軌間は1435ミリ。後ろ乗り前降り。ワンマン運転。途中の楠橋駅で車掌が乗り込んできた。なお、この駅には車庫があった。
 18時21分の発車。関東ならもう暗くなっている頃だが、こちらはまだ明るさが残っている。
 ところどころで駅名に冠のついているところがある。萩原では萩原中央病院前という具合で、駅名ネーミングライツという制度なそうで、増収策の一環であろう。スポンサー料金は駅にもよるが、年間25万円から50万円程度らしい。
 新木屋瀬駅を過ぎて新幹線の高架をくぐった。大きな夕日が今にも隠れようとしている。終点を前に熊西駅付近でJR線と並行した。18時56分終点黒崎駅前到着。JR黒崎駅に直結している。さすがにもう日が暮れていた。全線所要35分だった。駅数は21と多く、これも路面電車並み。
 なお、筑鉄ではパーク&ライトを奨励していて、すでに数カ所の駅で実施しているようだった。また、筑鉄としては特に謳い文句にしてはいないようだったが、ライトレール交通協会ではこの路線をライトレールに相当すると分類しているらしい。

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(写真3 黒崎駅前駅の様子。路面電車の電停風だ。左はバスの停留所である)