(写真1 金田駅に停車中の糸田線「炭都物語号」)
かつての炭田地帯を走る平成筑豊鉄道③
平成筑豊鉄道を一気に乗ってやろうと思い、田川線、伊田線と来て金田駅で糸田線に乗り継いだ。
糸田線は金田駅と田川後藤寺駅を結ぶ全線6.8キロの短い路線。
金田16時59分の発車。1両のディーゼルカーだが、「炭都物語号」との愛称がついている。
(写真2 車内には往時を偲ぶ貴重な写真や絵が掲示されている)
なるほど、車内には石炭全盛時代の沿線の様子が貴重な写真や絵で掲示されている。また、明治29年の田川線、伊田線の列車時刻表というのも掲示されていて、それによると、当時、小倉から行橋を経て後藤寺に至る直通列車が運転されていたことがわかった。
わずか13分で17時12分田川後藤寺着。ここは糸田線のほか日田彦山線、後藤寺線の接続駅で、筑豊炭田に張り巡らされた路線網の重要拠点駅だった。また、炭鉱別月産量で第1位だった三井田川炭鉱の最寄り駅でもあって、ホームには炭坑節発祥の地との表示もあった。
ところで、このたび平成筑豊鉄道を乗るにあたっては、「ちくまるキップ」という1日乗り放題の乗車券を利用した。1,000円。
旧国鉄から第三セクターに転換された路線は数多いが、いずれも経営上の苦戦を強いられているのが現状。中には持ちこたえられなくて廃線になったところもある。
そういう中で、平成筑豊鉄道は、伊田線、糸田線、田川線の三つの路線を担い、営業キロの合計も49.3キロに及ぶが、このたびこれら3線を乗り通して感じたことは、いずれもディーゼルの単車運行ながら、運転本数もそこそこ多いし、駅数を増やすなど営業上に様々な工夫がみられて元気に頑張っているという印象だった。(なお、平成筑豊鉄道会社は北九州市からの委託で門司港レトロ観光線の運行も行っている)
(写真3 三つの路線が接続する田川後藤寺駅)