(写真1 未成線である戸井線の遺構であるアーチ橋)
鉄道のある風景
函館から恵山岬へと向かって国道278号線通称恵山国道を走っていると、右に津軽海峡があり、戸井の集落付近では、左の丘の斜面にコンクリート製のアーチが目撃できる。
それが数キロにもわたって点々としており、とても立派なアーチ橋だ。これは旧戸井線の遺構で、函館と戸井を結ぶ路線として建設が進められてきたものだが、戦況の悪化に伴い工事は中断され、戦後もそのまま放置されてきた。
戸井線は、線区としては五稜郭-戸井間で29.0キロの計画だった。なお、青森との距離が最も短いのがこのあたりで、本土との短絡路としても構想されたものかも知れない。今日としてはいわゆる未成線である。(2015年10月7日)