ABABA’s ノート

旅と鉄道、岬と灯台、読書ときどき映画あるいは美術に関するブログです。

喜屋武岬(糸満市)

f:id:shashosha70:20161213202828j:plain

(写真1=喜屋武岬に建つ喜屋武埼灯台)
沖縄本島南端
 沖縄本島ぐるり岬めぐり。
 初めに訪れたのが喜屋武岬。那覇空港に着いたその足でレンタカーで向かった。
 北東から南西へと細長く横たわるようにある沖縄本島にあって空港は西端に近く、南端に位置する岬へはほぼまっすぐに南下するようなルートで、約1時間の計画だったが、どんぴしゃりの道のりだった。
 細い道を何度も曲がってやっと岬に着いたら一気に眺望が開けた。岬には四阿があって、ここから海上に目をやると、すぐ隣り林の中に灯台のてっぺんが見え、その先に細長い半島が伸びている。おそらくこれが荒崎で、そのとっぱずれが本島最南端ということになるものと思われる。かつてはこの荒崎に灯台があったらしいが、返還後、現在地に移設されたらしい。
  そのいきさつが面白くて、荒埼灯台は米軍が建設したものの、光量が少なく光達距離も短くて地元漁民には不満だったらしい。それで返還後日本の手で現在の灯台を建設したものだということである。
 喜屋武岬は平和記念公園やひめゆりの塔にも近いのだが、ここまで足を伸ばす観光客は少なく閑散としていた。もっとも、岬に至る道は細くて観光バスなどは入ってこられそうにもないようだった。
 しかし、眺望は素晴らしくて、これを独り占めして飽かず眺めていた。この日は気温が20度を超す穏やかな気候だが、さすがに突端は風が強い。海岸段丘だろうか、10数メートルの断崖絶壁となっている。眼下の海も沖縄らしいエメラルド色をしており実に美しい。

f:id:shashosha70:20161213203033j:plain

(写真2 喜屋武埼灯台)
 藪をこぐようにして灯台に移動した。喜屋武埼灯台である。コンクリート造の白い灯塔だが、ちょっとくすんでいた。初点灯は1972年6月22日で、平均海面から灯火までの標高は46.66メートル。座標は北緯26度04分45秒、東経127度40分12秒である。
 灯台は、周囲をぐるり藪と林で覆われていてまるで眺望が利かない。幸い、人が一人通れるほどの隙間があり抜けてみるといきなり断崖の淵に立った。足もとに柵もなくちょっと恐いようだった。ただ、眺望はますます開けて素晴らしく、その分風も強まりカメラを構えるとよろけるようだった。この岬からは、右手が東シナ海で、左手が太平洋となる。
  なお、最南端まで到達してみたいと思って車を走らせたが道がどんどん細くなり途中から歩きはじめたが、それもすぐに困難になって引き返した。

f:id:shashosha70:20161213203215j:plain

(写真3 細長く伸びる喜屋武岬。突端が荒崎であろうか)