ABABA’s ノート

旅と鉄道、岬と灯台、読書ときどき映画あるいは美術に関するブログです。

JR烏山線

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(写真1 烏山線の終点烏山駅)
バッテリー列車が走る路線
 烏山線は宝積寺駅と烏山駅を結ぶJRのローカル線。全線20.4キロ、駅数17で、全区間栃木県下を走る。地図で見ると、栃木県の中央部から東へと向かい八溝山地に分け入り茨城県へと近づく。宝積寺駅で東北本線と接続するが、大半の列車が宇都宮駅発着となっている。
 烏山駅は行き止まりの終着駅だから、宇都宮あたりから向かって折り返すのが一般的だろうが、この日の私は、真岡鐵道を終点の茂木まで行ってすぐにとって返し、途中、市塙駅からバスで烏山駅へと入った。このバスは那須烏山市営のコミュニティバスで、1日5便の運行。この日は日曜日だったのだが、乗客は終始私一人だけだけで、何か申し訳ないような気持ちだった。
 那須烏山に着いたのはすでに夕刻近く。ここには3万石烏山城の遺構もあるはずだが、探索する余裕もなくて、駅前をぶらぶらしただけだったが、鮎の焼き物を売っている店があった。
 さて、烏山駅16時38分発宇都宮行き。2両のディーゼルワンマン運転。日曜夕方の上り列車だから車内は空いている。

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(写真2 烏山駅ホームにはバッテリー充電のための架線が張られている)
 実は、この烏山線は日本で唯一バッテリー列車が営業運転している路線。バッテリー列車とは、その名の通りバッテリーつまり蓄電池駆動で走る列車のことで、2014年からこの路線に投入されている。
 この路線は、宇都宮-宝積寺間が電化、宝積寺-烏山間が未電化と分かれているため、通し運転するにはちょうどバッテリー駆動が適当だったわけで、しかも、この路線は平坦であること、バッテリー容量にちょうど合致する距離だったことなどから日本初のバッテリー列車営業区間となったということのようだ。
 私は、かつてこのバッテリー列車に乗ったことがあって、とにかくディーゼルエンジンなどと違って騒音が少なく運行はとても静かでスムーズだった。
 そのようなことで、この日もできればバッテリー列車に乗りたかっただが、バッテリー列車の運行は1日わずか2往復だけのこと、うまく合わなかった。
 烏山駅のホームはちょっと変わっていて、ホームの端にだけ架線がある。停車中の充電のためのもので、充電時間はわずか5分で済む。この日の列車は気動車だから何か設備がもったいないような気もしたものだった。
 列車が発車して間もなく日が暮れてきた。途中、大金などというめでたい名前の駅もあって、暮れなずむ窓外を見ていると、これはこれで一つの車窓風景である。

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(写真3 暮れなずむ車掌風景)