ABABA’s ノート

旅と鉄道、岬と灯台、読書ときどき映画あるいは美術に関するブログです。

吉永陽一+花井健朗『空鉄今昔』

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空から見た鉄道変遷
 空鉄(そらてつ)とは、空から見た鉄道ということ。
 この頃は鉄道趣味世界も幅広いが、空鉄というのはさすがに少ない。撮影・文とも吉永陽一+花井健朗で、もっともこの両者は趣味ということではなくて、空撮が仕事。
 1983年から2015年まで昭和から平成へと空から見た鉄道変遷が描かれていて、日頃見ることの少ないアングルで撮られた写真集だけに貴重なものだ。
 興味深いのは、この空撮写真が時間をおいた変遷のかたちで見られることで、例えば、巻頭の田町は1983年と2015年が対比できるようになっている。1983年では多くの留置線や側線を引き連れて「太っていた」ものが、2015年では再開発が進んで随分と「細っている」のが見て取れる。周辺も様変わりで、都心の凄まじいばかりの移り変わりが鉄道写真からも読み取れる。
 列車で大きな駅に入っていくと、次々と線路が増えていって、そのたびにポイントを渡るのでガタンゴトンと列車は揺れながら到着する。駅を出て行くとこの逆でどんどん線路の本数は減っていく。鉄道の旅情はまずはこのポイントを渡るところから始まっているようにも思えるのだが、本書はその様子を空から鳥の目になってい写しているのが楽しい。
 ところで、本書は空鉄シリーズの第3弾。本書では車両基地や駅などが主な空撮対象となっており、それだけに時代とともに動いてきた激変の様子がよくわかる。
 なお、スイッチバックやループといった絶景写真は第1弾の鉄道鳥瞰物語や第2弾の鳥瞰鉄道探訪記で紹介されているので念のため。
(講談社刊)