ABABA’s ノート

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JIMTOF2016盛大に

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(写真1 盛況の会場風景)
日本国際工作機械見本市
 JIMTOF(日本国際工作機械見本市)が昨日11月17日から東京ビッグサイトで始まった。主催日本工作機械工業会、東京ビッグサイト。
 会場は、増設された東新展示棟を含めビッグサイト全館を使用しての展開で、過去最大規模となっていた。入場者の出足も好調で、初日にもかかわらず大変な賑わいだった。
 会場は広いし、出品分野も多方面にわたっているから概要をつかむのも難しいが、面白かったもの一つ二つ。
 新分野ということで、3D金属積層造形装置が愛知産業と三菱重工工作機械から出品されていた。いわゆる3Dプリンター、専門的にはアディティブ・マニュファクチャリングと呼ばれるものだが、内容的には今後の発展が待たれるようだった。また、この3D金属積層造形に関する出品が本当に少なくて、着々と進んでいる欧米との差が開く一方なことも気がかりだった。

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(写真2 3D金属積層造形装置を出品した愛知産業)
 国際ウエルディングショーにも出品されていたものだが、小池酸素工業が6キロのファイバーレーザ切断機を出品、高出力のレーザ加工機として気を吐いていた。
 また、アマダはハンディタイプのファイバーレーザ溶接機を出品していた。会場では全般に溶接に関する出品が少なかったから貴重な出品だった。
 なお、インダストリー4.0とかIoTといった取り組みが増えているものと期待していたが、会場ではそういうキャッチフレーズは少ないくらいだった。目に付いたところではわずかにDMG森精機がインダストリー4.0のシステム展開をパネルにしていた程度だった。

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(写真3 会場に展示され体験乗車できたテニス競技用の車いす)
 もう一つ興味深かったものは、リオ五輪でも活躍したテニス競技用の車いす。この車いすに体験乗車することができたのだが、それが何と動きのスムーズなこと。初めての体験だったのだが、それでも実に軽々と操作できて驚いた。持ち上げてみると、10キロに満たないのではないかと思われた。アルミ合金製で、難しい溶接が駆使されているとパネルに解説してあった。
 ところで、JIMTOFは隔年に開催されて今年が第28回。今回は出展が連名出展も含め969社(直接出展は762社)と2年前の前回に比べ約18%の増加となった。展示規模は小間数が約8%増の5,518小間で、展示面積としては49,662平方メートル。海外からの出展は143社483小間だった。
 もとより工作機械に関するわが国最大の展示会で、かつ、展示会としても東京モーターショーなどとともにわが国最大で、ここだけ、つまり日本のことだけ見ると盛況だが、同じように今年開催された海外の工作機械見本市と比べてみると、シカゴの展示場面積248,000平方メートル・展示面積120,774平方メートル・出展社数2,375社、上海の展示場面積200,000平方メートル・展示面積120,000平方メートル・出展社数1,100社はもちろん、ソウルの展示場面積102,431平方メートル・展示面積55,287平方メートル・出展社数1,132社と比べても日本が規模的には小さいものとなっている。
  海外の主な工作機械見本市で、出展社数が1千社を下回るような展示会は少ないくらいだから、日本はちょっと情けない。
 これには背景が幾つか考えられる。
 一つにはもちろん日本の市場規模が相対的に落ちていること。
 また、海外からの出展社が少ないことも要因の一つとしてあげられるだろう。小間数で海外比率が8.7%というのはいかにも少ない。国際的に見て、海外比率が10%以下というのは珍しいくらいだ。日本市場の魅力が弱っているのかも知れない。
 また、展示会そのものに対する取り組みが日本は弱いということも無視できないのではないか。展示会は、産業交流のみならず技術交流や観光交流としても大きな位置づけを担っていて経済発展に欠かせない存在だが、世界最大の展示会産業を擁するアメリカやメッセ大国ドイツのみならず、いまや中国や韓国などと各国が政策的に展示会の発展を経済の重要な柱として据えているときに、日本は政府自体に展示会に対する認識が弱いし、首都東京も同様だ。
 展示場一つとってみても、わが国最大の展示場である東京ビッグサイトの8万平方メートル、このたびやっと増設して10万弱は首都としてはいかにも貧弱。主要国の中心となる展示場は軒並み20万~40万規模となっている中では競争力に欠ける。
 2020年東京オリンピックで東京ビッグサイトは会場として使用されることとなっているが、そうすると、オリンピック期間を挟んで約1年半ほどもビッグサイトは展示会場としては使用できなくなるらしい。
 これは、展示会産業が致命的打撃を受けることとなり、政府や東京都がいかに展示会に対する認識が弱いかの証左となるエピソードと言えるのものであろう。
 JIMTOFを単なる一つの展示会としてみるのではなく、日本を代表する展示会がこのような位置にあるということを再認識する必要を痛感したこのたびのJIMTOFだった。