ABABA’s ノート

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マルチマテリアルとものづくり

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(写真1 セミナーの模様)
軽量化のために
 「軽量化のためのマルチマテリアルとものづくり」と題するセミナーが昨日1日お茶の水で行われた。産報出版の主催。
 炭酸ガスの削減などを目的に構造物の軽量化への飽くなき追求が進んでいるが、この際、マルチマテリアル化は必須の課題。この日のセミナーでは、マルチマテリアル化を活かす異種材料の接合を中心に自動車や航空機といった構造物から超高張力鋼やCFRPなどの材料から溶接接合技術までものづくりについて広範なレクチャーが行われた。
 冒頭、まず、中田一博大阪大学接合科学研究所特任教授が「マルチマテリアル時代の接合技術」と題する基調講演を行った。
 中田教授は、異種材料の組み合わせは、鉄鋼+アルミ合金、アルミ合金+樹脂・CFRPへのニーズが圧倒的に高いと前提にした上で、金属材料同士の接合についてはすでに実用化が進んでいるものの、金属とCFRPの接合が喫緊の課題だとし、特に機械的接合に頼らない直接接合への期待が大きいとしていた。また、マルチマテリアル時代に肝要なことは、材料の多様化のみならず、接合法の引き出しを多くすることが重要だとしていた。
 自動車につては、日産自動車の千葉晃司氏が「自動車における軽量化に向けた超ハイテン材の加工技術」と題し講演した。この中で、千葉氏は、鉄鋼材料で、980メガ級から1.2ギガ級に置換すると、板厚が1.4tから1.2tへと削減でき、15%の軽量化が達成できるとしていた。このため、世界的に超高張力鋼の採用が進んでいて、すでに全体の20%に及んでいるとしていた。ただ、接合はスポット溶接で行っているが、高炭素量になるほど脆化の傾向となり、このため、2段通電など溶接条件に工夫が必要だとしていた。
 このほか、この日のセミナーでは、CFRPの航空機への適用からマグネシウム合金やチタン合金なども取り上げられていて興味深い内容となっていた。