ABABA’s ノート

旅と鉄道、岬と灯台、読書ときどき映画あるいは美術に関するブログです。

我孫子市鳥の博物館

f:id:shashosha70:20161030124927j:plain

(写真1 世界の鳥類が展示されている博物館の展示室)
鳥は旨味で木の実を選ぶ
 千葉県我孫子市所在。手賀沼湖畔にあり、山階鳥類研究所に隣接している。ただし、博物館は研究所の付属施設ということではないようだ。設立のいきさつはわからないけれども。
 ここを訪れたについては明確な目的があった。つまり、鳥の習性を知りたかったのである。幸い、この博物館にはボランティアガイドの方がいらして、質問に懇切に答えてくれた。
 この頃の季節に散策していると、たくさんの種類の木の実を見かける。赤い実が多いのだが、鳥についばまれている実と、そうでないものとある。鳥はどういう基準で実を選んでいるのであろうか。このことが不思議だった。
 ボランティアガイドの方の解説によると、一つには旨さ、二つには水分の多さによるのだろうということだった。旨さはもちろん好みにもつながることではあるのだろう。
 鳥は色の識別はできていて、特に赤色は好むということ。ただ、木の実たちも利口で、鳥に食べてもらいたくて工夫して赤い実にしている場合もあるのだとか。また、逆に鳥についばまれたくなくて、わざと苦くしている木の実もあるのだとか。
  木の実の大きさや堅さも関係あるのだろうかとの問いに対しては、さてどうでしょうか、と思案顔だった。

f:id:shashosha70:20161030125119j:plain

(写真2 我孫子市鳥の博物館外観)
 ところでこの博物館は3階建て。2階には手賀沼湖畔の鳥類の生息と生態が展示してあった。手賀沼は270種もの鳥類が記録されているように鳥の宝庫なのだ。特に手賀沼の自然と鳥たちをジオラマで再現した展示が面白かった。
 また、3階には世界の鳥類の実物剥製が展示してあって、鳥の起源から進化に至るまでも解説してあって興味深かった。世界に鳥類はおよそ1万種もいるのだそうだが、この博物館には600種を超す鳥類が展示してあるということだから、実にすばらしいコレクションということになる。実際、トキやダチョウなどとおよそ世界のあらゆる鳥を見ることができるようだった。また、始祖鳥の復元展示までもあってびっくりした。
 これもボランティアガイドの方の話だが、鳥たちは飛ぶためにとにかく体重を軽くしたいというのが本能で、軽くするために様々な工夫があるのだとか。特に骨を軽くするのが肝要で、人間は全体重に占める骨の重量は約20%であるのに対し、鳥はわずかに5%程度なのだという。内部を空洞にしたりしているらしい。
 この体重を軽くということは、先ほど私が行った質問への回答にも関わることらしい。つまり、鳥たちの木の実の選択肢に水分量ということがあるということだったが、水気の多い食べ物は体重を重くするし、また、下痢にもなりやすいから秋のこの時期は好まれないだとも。
 フクロウに関する解説も面白かった。フクロウだけは目は顔の正面に付いていること、耳もそうだ。これは人間と同様だが、これは夜間餌を採るためにパラボラアンテナのように発達したからなのそうだ。
 ところで、博物館は手賀沼湖畔にあるが、これは周囲38キロという大きな沼。千葉県北部、我孫子市から柏市などへとまたがっている。昭和30年代までは清澄な沼だったようで、志賀直哉、武者小路実篤、柳宗悦、バーナード・リーチなど多くの著名な文化人が居を構えたり別荘を持ったいたりして白樺派の拠点ともなっていた。
 しかし、高度経済成長期に生活排水や産業排水による水質汚濁が広がり、汚濁レベルは全国ワーストワンなどという時代まであった。
 近年、随分と水質浄化への取り組みが進められているようだが、なかなか劇的改善とまではいかないようだ。実際、湖畔に佇んでみると、湖底が見えないようだった。釣りをしている人はたくさんいたけれども。

f:id:shashosha70:20161030125252j:plain

(写真3 博物館の眼前には広大な手賀沼が広がっている)