ABABA’s ノート

旅と鉄道、岬と灯台、読書ときどき映画あるいは美術に関するブログです。

世界報道写真展2016

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(写真1 世界報道写真展パンフレット。パンフレット中の写真は大賞受賞作品)
新装の東京都写真美術館で
 恵比寿ガーデンプレイスの新装なった東京都写真美術館で開催されている。
 この写真展は、オランダで毎年開催されている世界報道写真コンテストから入選作品などを紹介するもので、コンテストには世界各地から6千人8万点の作品が応募されている。
 一つ興味深かったのは中国を題材にしたもの、あるいは中国人カメラマンの作品が目立って多かったこと。スモッグが黒く立ちこめる都市の様子などは格好の題材のようだ。
 中にはいかがなものかといぶかしく思われる作品もあった。アメリカで警官による人種差別的暴力に抗議するデモの女性が警官とにらみ合う様子の写真だが、私には女性にも警官にもその表情にまったく緊張感が感じられなかった。両者の目には穏やかさこそ感じられたほどだ。テーマ自体は極めて今日的アメリカの状況だし、アメリカのデモとはこんなものなのかとも考えられたが、ひょっとするとやらせではないか、そんな風にも受け止められたほどだった。しかし、この写真は現代社会の問題の部単写真第3位とあるし、カメラマンはシカゴ・トリビューンとあるから、いい写真ではあるのだろうが、私にはどうしても納得できなかった。
  報道写真といえばいつの時代も戦場や巨大災害が最大の被写体だったか。今回も、世界報道写真大賞受賞作は鉄条網をくぐってハンガリー側へ渡ろうとするシリア難民をとらえたものだった。手前から鉄条網を挟んで向こう側へ幼児を手渡そうとする緊迫した場面が大写しになっている。この写真はピントが甘いのだが、警備隊に見つからないよう月明かりだけでフラッシュは使用できなかったと説明されればその緊迫が伝わってくるようだった。ウォーレン・リチャードソン(オーストリア)。

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(写真2 新装なった東京都写真美術館のアプローチ。歴史的にも有名な作品が壁画となっている)