(写真1 昭和の杜博物館に展示されている車掌車ヨ13712車両)
車掌車ヨ13712車両
千葉県松戸市にある。足の便は必ずしもよくはないが、北総鉄道北総線秋山駅あるいは武蔵野線・北総線東松戸駅から徒歩15分ほどか。なお、千葉市にある昭和の森公園とは違うので念のため。
博物館は、コレクターであり館長である吉岡光夫氏が個人で設立した私設のもので、博物館に入ると、屋外展示にはクラシックカーや電車、飛行機などが所狭しと陳列してあって昭和レトロ館という様相だ。
入場して左に目をやると、電車が並んでいる。まず銚子電鉄の1001。みかん色の塗装が真新しい。その左隣に流鉄の「なの花号」。これも塗装が新しく黄色に薄緑のラインが鮮やかだ。メンテナンスがとてもいいようだ。ここには踏切もあって、その敷石も実際のものだという凝りよう。
右手には日立電鉄のモハ1000形。1960年~1979年まで運行されていたと表示があった。
その奥、銚子電鉄の後ろに並んで目当ての車掌車があった。ヨ5000形である。ヨ3500形を改良したもので、製造から65年、改造からでも50年近くも経っているのに状態はいい。
一通り見て回ったところ、車体妻には「昭和の鉄道車輌」の表示。これは展示用に表示したものだろう。台車枠のところにヨ13712の車両番号が見つけられた。ほかに車体には自重9.8トン、「松本行」の行き先表示なども見られた。
(写真2 車掌車車内の様子。なかなかしっかりした保存状態だ)
ドアにはガラスに乗務員室の表示があって、車内に入ると、石油ストーブ、長椅子、テーブルに椅子が2脚などが配置されている。テーブルには机上灯があり、仕分け用のものか、10ほどに仕切られた長い箱がのっている。壁には灰皿も取り付けてあった。
天井に天井灯に加え扇風機も取り付けてあった。窓は片側に4列に並んでいて、蛇腹の日よけが取り付けてあった。
反対側のドアからデッキに出ると、ブレーキハンドルがあって、いかにも車掌車らしい。
この博物館のいいところは、すべての車両で車内に入ることが許されることで、実を言うと、私は車掌車の車内に入ったのはこれが初めての体験で、はなはだ感激した。
私は、車掌車を書斎にすることが夢だが、トイレを取り付けれさえすば十分な設備とスペースと思われた。
(写真3博物館屋外展示の様子。踏切の向こう、手前右が銚子電鉄車両、奥が流鉄車両)