ABABA’s ノート

旅と鉄道、岬と灯台、読書ときどき映画あるいは美術に関するブログです。

メアリー・カサット展

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(写真1展覧会の開催案内パンフレット。背景画は「桟敷席にて」の部分)
母子像の画家
 横浜美術館で開催されている。
 世界の主要美術館の協力を得ていて、とくにフィラデルフィア、メトロポリタン、ボストンなどアメリカの美術館が多いようで、それもそのはずカサットはアメリカ人画家。パリに学び印象派を代表する女性画家といわれる。
 会場には油彩のみならずエッチングなど約100点も展示され、カサットの画業の全体像が知られる内容となっていた。
 順番に見ていったが、最初に目についたのは「桟敷席にて」(1878年)という作品。いかにも印象派らしいモチーフだし、描き方。オペラグラスで覗いている女性も美しい。
 一方、女性を描いた作品が多いように思われたが、とくに「母子像の画家」と呼ばれているように、母と子を描いた作品に印象的なものが多かった。
 「眠たい子どもを沐浴させる母親」(1880年)は代表作でもあろうか。むずかる子の体を拭いている母親が描かれている。印象派らしいざっとした筆遣いだが、描写は非常に細かい。母親の愛情が感じられて好ましい。

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(写真2「眠たい子どもを沐浴させる母親」=会場で販売されていた絵はがきから引用)
 「母の愛撫」(1896年)も親子を描いている。ただ、この絵は娘がほほえんでいないし、母親の頬に触る娘の指先が頬に食い込んでいるように見える。また、母親の表情がわかりにくいが、頬を触る娘の腕をわしづかみに握る手に力が入っているように見える。どのように受け止めたらよいのか。幾通りにも読めそうだが、単純にほほえましい親子の情景ということでよろしいのか。

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(写真3「母の愛撫」=会場で販売されていた絵はがきから引用)