ABABA’s ノート

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しずくいし夏の音楽祭東京公演2016

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(写真1=会場内、開演前の様子)

ミューゼシード・イン・ムジカーサ
 昨日12日開催された。
 「しずくいし夏の音楽祭」とは、岩手県雫石町で毎年8月に開催されている音楽祭で、室内楽を中心としているが、主宰者林智之をして「おそらく日本で一番小さい音楽祭」とのこと。この日行われたのはこの音楽祭の出演者による東京公演。
 演目は、演奏順に、初めがモーツアルト弦楽四重奏第12番。演奏は、N響のヴァイオリン奏者でもある林智之をはじめ同じくヴァイオリン冨沢由美、ヴィオラ臼木麻弥、チェロ西山健一。
  4楽章構成で、私の印象としては各楽章ごとに非常に変化に富んでいて、重厚な第2楽章から華やかな第3楽章、歓喜の第4楽章へと展開していた。まったくの素人が生意気な感想だが、恥を覚悟でかけばそういうこと。とくに、第3楽章を中心にヴィオラが主役になったようだったが、これは珍しいのではないか。
 2曲目は、ベートーヴェンの弦楽三重奏のためのセレナーデ。これは楽章が多くて、プログラムには第5楽章までと紹介してあったが、実際に演奏されたのは6楽章構成だった。それで、観客の中には第5楽章が終わった段階で拍手をした人が数人いたほどだった。
  演奏は林、臼木、西山の3人。これも変化の大きい曲で、三重奏なのに四重奏に負けない迫力だった。
 休憩の後の3曲目はブラームスのピアノ五重奏曲。弦楽四重奏にピアノが加わった形で、ピアノは森知英。終始激しい曲で、迫力があったが、各パートともに格闘技かと思われるほどに強かった。森地英のピアノは弦楽の4人に負けない力強さが感じられた。演奏会が終わった後で、森さんと握手させてもらったが、とてもきゃしゃな手で、この手のどこにあんな強い演奏が出てくるのか驚くほどだった。

 3曲ともにウィーンに縁の深い曲なそうだが、ウィーンはこんなにも激しかったのかと思わせられるほどに、3曲いずれも激しい内容だった。
 ところで、ミューゼシードとは、身近なクラシックコンサートの提供を目的に若手の音楽家集団として結成されたグループのこと。この日の演奏者たちもこのメンバー。
 また、ムジカーザとは、会場の音楽ホールの名前で、代々木上原の駅前にあった。小さなホールで、この日のセッティングでは50席ほどだった。私は2階席だったのだが、そのためか、演奏が突き上げてくるように感じられた。
 なお、しずくいし夏の音楽祭は、今年で12年目なそうで、この間には、2011年の東日本大震災による大きな影響があったようで、音楽祭の運営には苦労も多いようだった。

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(写真2=会場のムジカーサ外観)