ABABA’s ノート

旅と鉄道、岬と灯台、読書ときどき映画あるいは美術に関するブログです。

展覧会「12の部屋、12のアーティスト」

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(写真1=会場で配布されていたパンフレットから引用。中央の油彩はルシアン・フロイド「裸の少女の頭部」)

現代アートは足早になる。

 東京ステーションギャラリーで開かれている。
 現代美術の作家12人の作品が、一人につき一部屋があてがわれて展示されている。それで、12の部屋、12のアーティストということになる。
 12人には荒木経惟、小沢剛の日本二人のほかアメリカやイタリアなど。作品も絵画や写真、彫刻などと様々。それぞれの作家、作品はそれなりに著名らしいが、私には初めて目にするものが大半だった。
 それで、25%だったなというのが正直な感想。つまり、出展12人のうち面白かったもの、惹かれたものは3人だけで、結局4分の1だったということ。
 その一つは、ルシアン・フロイド「裸の少女の頭部」(1999)。出品83点中数少ない油彩の一つで、底知れぬ絶望が感じられた。タイトルがなければ少女とは受け止められないものだ。なお、調べてわかったが、この画家にはごつごつした表情の肖像画が多いようで、また、作者は例のジークムント・フロイトの孫だということである。
 写真では、アイザック・ジュリアンの一万の波と題する一連の作品が美しく、とくに「湄州島、航行」が情景豊かでよかった。イギリス人らしいが、東洋に題材をとりながらよく飲み込められていた。
 また、同じ写真では小沢剛の「ベジタブル・ウェポン‐キムチチゲ/ソウル」が面白かった。野菜を小銃やピストルなど武器に見立てているのだが、ユーモアとプロパガンダを感じた。
 なお、展示作品は金融グループUBSのコレクションだということである。
 また、会場の東京ステーションギャラリーは、100年前の建設当時の東京駅の煉瓦がむき出しで使われていて、現代アートを展示するギャラリーに妙にマッチしているように思われた。

 ところで、会場には平日に足を運んだのだが、中高年の男女でまずまずの入りで、面白かったのは鑑賞者の足の運びが早かったこと。まるで足早に素通りするような人が多かった。やはり現代アートは難しいのである。