ABABA’s ノート

旅と鉄道、岬と灯台、読書ときどき映画あるいは美術に関するブログです。

03-03 美術ノート

白堊芸術祭今年も

(写真1 会場の様子) コロナにも負けず 白堊芸術祭が今年も開催された。コロナ下のこと、開催が危ぶまれていたが、熱心な会員の後押しがあって開催にこぎ着けたもののようだ。会員の中にはこの展覧会に向けて1年をかけて作品作りに励んでいる人も少なくな…

パブリックアート

(写真1 シカゴのデイリー・シビック・センタービルの前庭にあるピカソの「アンタイトル」。コールテン鋼という材料が使われている) 世界各地に拾う 街角や街路にたたずむアート。ストリートアートとも違って景観に溶け込んでいるのが素晴らしい。旅行などで…

街路の彫刻

(写真1 美しい紅葉と彫刻。作品は岩田健「二人と猫」) 芸術の秋演出 紅葉が美しい季節になってきた。落ち葉を踏みしめながら歩くのも気持ちがいい。とてものんびりした気持ちになれる。 いつも散策で訪れる近所の公園の外周道路には、数百メートルにわた…

第38回メトロ児童絵画展にぎやかに

(写真1 作品展示の様子) 独創的視点と自由な発想 第38回メトロ児童絵画展(主催メトロ文化財団、協力東京メトロ)の入賞作品が地下鉄銀座線三越前駅のコンコースに展示されている。 8,063点もの応募があったそうで、このうち特選30点、入選70…

展覧会『ロンドン・ナショナル・ギャラリー展』

(写真1 会場の国立西洋美術館に掲示されていた看板) 屈指のコレクション来日 この美術館のコレクションは、「ジョットからセザンヌまで」とよく言われるように、中世から近代までの西洋絵画がそろっているのだが、その屈指のコレクションが来日していて見…

賑やかにグループSUN展

(写真1 多彩な作品が並んだ会場の様子) 多彩な才能のアーティスト一家 グループSUN展。今年は銀座のギャラリー向日葵を会場に行われた。 展覧会でグループ展はよくあるかたち。さまざまな組み合わせがあるが、グループSUNの面白いところは一家とい…

及川昭伍作『マグカップ』

(写真1 及川昭伍作『マグカップ』) 端正で上品な作品 及川昭伍作の染付である。鳥獣戯画が絵付けされている。 及川さんは、経済企画庁総合計画局長から国民生活センター理事長などを歴任された。早くから陶芸にいそしんでいたようで、日本陶芸倶楽部正会…

戸田泰生画『再生』

(写真1 自身の作品とともに戸田泰生さん) 第49回純展出品 戸田泰生画『再生』は、上野公園の東京都美術館で開催されていた公募展純展に出品されていた。 純展は毎年秋に開催されていて、関東地方からの出品が大半で、今回は238人290点に上る作品…

第85回旺玄展

(写真1 出品作品を前に戸田泰生さん) 伝統の公募展 上野公園の東京都美術館で開かれていた。年1回開催され85回目という大変伝統のある公募展。規模も大変大きくて、今回は出品者数が405人、出品数が468点に達した。 会場に入ると、展示室が28…

アンドリュー・ワイエス展

(写真1 会場の美術愛住館外観) 美術愛住館で 美術愛住館は、地下鉄丸ノ内線四谷三丁目駅から徒歩数分。堺屋記念財団の創設で、2018年の開館。堺屋太一とその妻で洋画家の池口史子の業績を伝えつつ展覧会を開催している。館長は多摩美大教授の本江邦夫…

長島美術館(鹿児島市)

(写真1 素晴らしい眺望の喫茶室) ミュージアムカフェを訪ねて 長島美術館は、鹿児島中央駅西口から車で約5分。100メートルほどの丘の上にありきつい坂道を登らなくてはならないから歩くにはつらい。 しかし、その分眺望は断然いい。2階の喫茶室から…

フェルメール遍歴

(写真1 オランダ・ハーグのマウリッツハイス美術館の外壁に掲示されている「真珠の耳飾りの少女」の垂れ幕。手前に佇んでいるのは家内) 魅せられて世界各地へ フェルメール好きだから、随分と世界中の美術館でフェルメール作品を見てきたが、オランダのハ…

フェルメール全点踏破へ

(写真1 アムステルダム国立美術館でも「牛乳を注ぐ女」は人気) 残るは1点 お前もかと言われそうだが、フェルメールが好き。 そのことだけが目的ではないが、海外旅行などで美術館があればたいがいはいる。それも、フェルメールを展示しているとなればな…

植本一子『フェルメール』

独特の写真紀行 ずばりとした書名だが、内容はフェルメールに関するガイド本でも画集でもないのでまずは念のため。 著者は写真家。傍ら執筆も手がけるという様子。34歳。出版社の依頼でフェルメールの全作品を写真に撮ることになり、世界各地に散らばって…

戸田泰生画「往来」

(写真1 自身の作品「往来」と並んで戸田泰生さん) 遊び心も加わって 上野の東京都美術館で開催された絵画の公募展第48回純展に出品されていた。100号の大作である。 戸田さんとは仕事上の関わりがあってもう40数年来も昵懇にさせていただいている…

東御市梅野記念絵画館を訪ねて

(写真1 カフェから眺望した風景。奥は浅間山) 開館記念20周年記念展開催中 別所温泉に泊まった翌日は、東御市(とうみし)梅野記念絵画館を訪ねた。この美術館を見学することは、当初からこのたびの旅行の大きな目的の一つだった。 美術館は、上田から…

ひっそりとたたずむ「無言館」

(写真1 林の中にひっそりとたたずむ無言館) 戦没画学生慰霊美術館 美術館へは、上田電鉄別所線の塩田町駅から〝信州の鎌倉シャトルバス〟が出ていた。バスなら10分もかからないが、丘の上にあり、道もわかりにくそうで歩いては難儀そうだった。しかし、…

特別展『縄文』

(写真1 会場の外壁に掲示されていた展覧会の看板) 1万年の美の鼓動 東京国立博物館で開催されている。 土偶が好きで機会があれば見ている。特に今回は国宝に指定されている5件の土偶がすべて出展されているというので期待していた。 (写真2 国宝「縄…

展覧会『理由なき反抗展』

(写真1 アンディ・ウォーホル「理由なき反抗」I LOVE ART 14 神宮前のワタリウム美術館で開催されている。 映画『理由なき反抗』は、主役のジェームズ・ディーンにばかり目がいきがちだったが、危うい青年の姿と一つの時代を描いていた。 そして私は、アンデ…

追悼特別展「高倉健」

(写真1 展覧会のチラシ)いわき市立美術館で いわき市立美術館で開催されている。2年がかりで全国を巡回してきた。大変な人気だったのであろう、ここが全国9館目だった。 会場には、ポスターやスチール写真から映画の脚本などが展示されていた。代表作で…

ミュージアムカフェ

(写真1 テラスに面した明るい大川美術館のカフェ)大川美術館 美術館にはよく出かける。興味深い企画展があればちょくちょく顔を出すし、旅先でも美術館を訪ねることは少なくない。 美術館では、美術を鑑賞したあと、時間の許す限りカフェに寄ってコーヒー…

人間・髙山辰雄展

(写真1 会場で配布されていたチラシから引用=中央の絵は代表作「少女」)森羅万象への道 世田谷美術館で開催されている。 髙山辰雄(1912-2007)は、大分県出身だが終生世田谷を拠点とした日本画家で、会場には過去最大規模となる約120点もの作品…

ユルリ島の野生馬

(写真1 会場の様子)岡田敦写真展 豊島区の大正大学で開かれている。 「馬の楽園」と呼ばれながら絶滅の危機にあるユルリ島の野生馬の生息を追った写真家岡田敦の渾身の写真展である。 ユルリ島は根室半島昆布盛沖合の無人島。周囲7.8キロ、面積168ヘ…

旺玄展

(写真1 会場の様子)外部審査の公募展 旺玄展は絵画の公募展。上野の東京都美術館で開催されている。今年で84回目という大変歴史のある展覧会。 旺玄展は初めて見たのだが、会場を訪れて驚いた。出品者数が415人、展示数は503点にも達している。 …

プーシキン美術館展

(写真1 展覧会の開かれていた東京都美術館)旅するフランス風景画 上野の東京都美術館で開催されている。 プーシキン美術館はモスクワにある国立の美術館。膨大なコレクションで知られ、今回はフランス風景画に絞っての展示となっていた。 旅する風景画の…

展覧会「東京⇔沖縄」

(写真1 会場の板橋区立美術館)池袋モンパルナスとニシムイ美術村 二つのアトリエ村に焦点をあてた着眼点の素晴らしい企画の展覧会が板橋区立美術館で開催された。 一つは、東京・池袋周辺に戦前から戦後にかけて集った画家たちの群像は池袋モンパルナスと…

バーンズ財団

(写真1 バーンズ財団美術館外観)フィラデルフィアの美術館② バーンズ財団の美術館は、フィラデルフィア美術館から都心に向けて坂を下っていった途中にあった。また、この手前にはロダン美術館もあった。 外観は窓が少なくいかにも美術館のような現代的な…

フィラデルフィア美術館

(写真1 フィラデルフィア美術館正面)フィラデルフィアの美術館① フィラデルフィアでは二つの著名な美術館を訪ねることができた。フィラデルフィア美術館とバーンズ財団の美術館で、ともに世界有数のコレクションで知られる。 二つの美術館は、ベンジャミ…

アメリカ美術のホイットニー美術館

(写真1 エドワード・ホッパー「早朝の日曜日」)ハイライン南端に新築移転 鉄道廃線跡を公園化したハイラインの南端出入口の直ぐそばにある。ワシントン・ストリートとガンズヴォート・ストリートの角である。地下鉄は14thSt.駅だが、道順にちょっとまごつ…

みやこうせい『MY MARAMUREŞ』

マラムレシュ写真集 ルーマニアで出版されたみやこうせい写真集である。〝私のマラムレシュ〟とタイトルが付されている。 みやさんは、エッセイスト・フォトアーティスト。1937年生まれ、岩手県盛岡市出身。ルーマニア文化功労章受賞。 マラムレシュとは…