ABABA’s ノート

旅と鉄道、岬と灯台、読書ときどき映画あるいは美術に関するブログです。

若桜鉄道(鳥取県)

(写真1 いかにも終着駅らしい落ち着いた佇まいの若桜駅) ゆったりと豊かな時間 湯村温泉からは浜坂に出て、山陰本線で鳥取に向かった。若桜鉄道に乗るのが目的。 若桜鉄道は、因美線の郡家(こおげ)から若桜を結ぶ第三セクター鉄道。旧国鉄の若桜線で、…

情緒が深い湯村温泉

(写真1 湯村温泉源泉の一つ荒湯) 98度の日本一熱い源泉 余部埼灯台からの帰途は餘部に戻り、山陰本線で二つ目の浜坂に行き、この日は湯村温泉に泊まった。 湯村温泉は但馬の山峡にあり、浜坂駅からは新温泉町の町民バス(全但バスが運行)が出ていた。…

余部橋梁と餘部駅

(写真1 余部の集落をまたいで架かる余部橋梁。右が餘部駅) 新旧の名物橋梁 余部埼灯台からの帰途は餘部(あまるべ)駅から乗った。余部橋梁は山陰本線の鎧駅と餘部駅の間に架かる橋。この橋はこれまで列車で何度も渡っているが、実は餘部駅で乗降するのは…

余部埼灯台を踏破

(写真1 余部埼灯台全景) 日本一の灯火標高 このたびの旅では、旧国名なら丹波、丹後を抜けて但馬に至り、余部埼(あまるべさき)灯台を踏破した。灯台は伊笹岬にあり、山陰海岸国立公園に位置するのだが、鉄道で行くにはとても不便なところで、十分に作戦…

丹波と丹後にまたがる福知山

(写真1 美しい姿を見せる福知山城天守閣) 鉄道要衝の地 北条鉄道を往復したあとは粟生で加古川線に乗り換え、谷川を経て福知山線で福知山に至り宿を取った。結局、この日乗った鉄道は7線区の多きに上った。 福知山は、京都府の西部、旧国名なら丹波と丹…

ボランティア駅長が活躍する北条鉄道

(写真1 三重塔と並んで建つ法華口駅) 北条鉄道法華口駅で途中下車 北条鉄道には、ステーションマスターという制度があって、ボランティア駅長が各駅でユニークで様々な取り組みが行われている。 例えば、播磨横田駅では10月に着任したばかりの神月絢野…

北条鉄道(兵庫県)

(写真1 粟生駅4番線で発車を待つ北条鉄道列車) 播磨平野を北へ 神戸電鉄粟生線を終点粟生で北条鉄道に乗り継いだ。 北条鉄道の粟生駅は、JR加古川線粟生駅と共用で、立派な駅舎があった。神戸電鉄粟生駅とは大きな違いがあるが、これはある意味当然で…

神戸電鉄粟生線

(写真1 神戸電鉄鈴蘭台駅改札口。3方面への列車が発着している) パーミル会のメンバー路線 神戸電鉄は、有馬線、三田線、公園都市線、粟生(あお)線の合計69.2キロのほか神戸高速線新開地-湊川間0.4キロを含め合計69.6キロを運行する私鉄。 公…

神戸電鉄公園都市線

(写真1 公園都市線列車が発着する三田駅ホーム。左は三田線、右が公園都市線列車) 大規模ニュータウンをつなぐ 先週は4日間にわたり大阪を起点に山陰から山陽にかけて駆け巡っていて、細かく見れば、福知山線、神戸電鉄、北条鉄道、加古川線、再び福知山…

静岡鉄道

(写真1 新清水駅外観) 静岡と清水を結ぶ 現在はすべて静岡市内となったが、細かくいえば葵区の新静岡駅と、旧清水市に当たる清水区の新清水駅を結んでいる。略称静鉄はかつては複数の路線を抱えていたが、現在は一つ静岡清水線というのが路線名称で、この…

岳南電車

(写真1 JR駅に直結している岳南電車吉原駅) 富士の裾野を走る 岳南電車岳南線は、静岡県富士市の吉原駅から岳南江尾駅に至る全線10キロに満たないまことに小さなローカル私鉄路線。 9月23日。東海道線普通電車を吉原で下りると、ホーム富士寄りに…

切手「灯台150周年」

(写真1 灯台150周年記念郵便切手シート) 灯台の役割に思いを致す 灯台150周年記念郵便切手が発行されている。82円郵便切手10枚組1シートの特殊切手で、シート単位の販売であり820円。 我が国ではこれまでも何度か灯台に関する記念切手が発…

映画『顔たち、ところどころ』

(写真1 映画館に掲示されていたポスターから引用) 面白い趣向 映画監督アニエス・ヴァルダ88歳と写真家JR33歳が映画を撮ろうと旅に出る。JRが運転する小型トラックには、写真撮影のスタジオがセットされており、畳1枚分もあるような大きな写真を…

村田靖子『エルサレムの悲哀』

エルサレムを舞台にした物語 これは珍しい、エルサレムを舞台に日本人によって書かれた物語である。著者は、イスラエルのキブツ(農業共同体)で暮らした経験を持ち、現代ヘブライ文学の研究や翻訳活動を行っている。 書き下ろしの9本の短篇で構成されてい…

城ヶ島の東端安房埼灯台

(写真1 太平洋に臨む安房埼灯台全景) 城ヶ島の灯台② 安房埼灯台は城ヶ島の東端に位置する。 三崎口駅からバスで城ヶ島に向かうと、城ヶ島大橋を渡ってすぐ白秋碑バス停があり、ここから丘の上に登ること約10分。登ったところが県立城ヶ島公園で、松林や…

島の西端に建つ城ヶ島灯台

(写真1 城ヶ島灯台全景) 城ヶ島の灯台① ここのところ天候が安定していなくて泊まりがけの旅行はしにくい。それで気象情報を睨みながら晴れの日を狙って日帰りのできるところへ出掛けている。これなら、あらかじめおおよその計画は立てておくものの、当日…

灯台150周年

(写真1 建設から150年となる観音埼灯台) 日本初は観音埼灯台 今年は明治になって150年。日本に初めて洋式灯台ができて150周年でもある。 日本最初の洋式灯台である観音埼灯台の起工日が1868年(明治元年)11月1日であることにちなんでい…

秋めいて

(写真1 赤と白が揃って咲いていた彼岸花) 寂しさも漂う 彼岸花が咲いている。その名の通り秋の花で、華やかそうでもの悲しさも漂う花だ。異名が全国には100ほどもあるのだそうで、忌み嫌うところもあって様々な名が付けられたのであろう。その中では、…

映画『野いちご』

(写真1 映画館に掲示されていたポスターから引用) ベルイマン生誕100年映画祭 ベルイマン生誕100年映画祭というのが千葉県柏市のキネマ旬報シアターで開かれている。1ヶ月の期間中4本の作品が上映されるようで、そのトップが『野いちご』だった。…

韓国映画『タクシー運転手』

(写真1 映画館に掲示されていたポスターから引用) 光州事件を描く 2017年の韓国映画である。監督チャン・フン。 日本で光州事件として知られる、1980年のいわゆる韓国の「5.18民主化運動」が正面から取り上げられている。 パク・チョンヒ(朴正…

戸田泰生画「往来」

(写真1 自身の作品「往来」と並んで戸田泰生さん) 遊び心も加わって 上野の東京都美術館で開催された絵画の公募展第48回純展に出品されていた。100号の大作である。 戸田さんとは仕事上の関わりがあってもう40数年来も昵懇にさせていただいている…

内田洋子『モンテレッジォ 小さな村の旅する本屋の物語』

「本が本を連れてくる」 モンテレッジォは、イタリア北部、トスカーナ州の山深い寒村。ここの村人たちは、かつて、貧しさから逃れ現金収入を得るために村を出て本を担いで行商して歩いたという。それはどういうことだったのか、非常なる興味を抱いて本書の物語…

映画『キートンの探偵学入門』

(写真1 映画館に掲示されていたポスター) 活弁士付き無声映画 活弁士による無声映画の上映である。柏のキネマ旬報シアターで開催された。140席ほどの小規模のスクリーンだったが、それにしても満員の盛況ぶりだった。 活弁士(活動弁士)が2名。舞台…

LINEのクローバ(Clova Friends)

(写真1 クローバの全身) AIアシスタント 嫁いだ娘の夫がプレゼントしてくれた。新し物好きと知ってのことらしい。 そう言えば、電子辞書も、電子手帳も、電子書籍リーダーも、iPadもいち早く飛びついた。もっと古くはウォークマンだった。 クローバとは、…

68年前の『サンデー毎日』

(写真1 『サンデー毎日』昭和25年2月12日号の表紙) 表紙絵は小磯良平画 昭和25年2月12日発行の『サンデー毎日』である。68年前の発行ということになる。 ある探したい本があって書棚を漁っていたところ思わぬことで見つけた。 記憶をたどって…

碓氷峠越え

(写真1 復元された旧軽井沢駅舎) 軽井沢から横川へバスで このたびの甲斐から信濃を回る旅では、帰路の終盤には、新幹線を使わずに碓氷峠を越えた。 かつての信越本線は、北陸新幹線の開通に伴う並行在来線の措置により、峠越えとなる横川駅と軽井沢駅の…

これも車掌車?

(写真1 清里-野辺山間で目撃したこれは車掌車?) 小海線車窓から目撃 先日、小海線の旅をした際、清里駅を出て野辺山駅との間左窓に車掌車らしきものが目撃できた。 JR最高地点の標柱を撮影しようとカメラを構えていたところ、大きな標柱を過ぎて間もな…

高橋弘希『送り火』

芥川賞受賞作 後味の悪い小説だ。面白くないとは言わないが、読んで楽しくもない。芥川賞受賞作だから読んだけれども、そうでなかったら手に取らなかっただろう。 ただ、文章はうまい。濃密な描写できちんとしている。ただし、やや硬質だ。とても三十代の作…

池澤夏樹『終わりと始まり2.0』

率直な時評で人気のコラム 朝日新聞に連載されてきた時評を中心としたコラム集の第二集。2017年末までの4年分が収録されている。 連載が一か月に1度という頻度がいいようで、世の動きを一か月ごとに区切り、その中からテーマを選び、それに関わる情報…

「新釈漢文体系」全120巻完結

(写真1 新釈漢文体系第7巻『老子・荘子(上)』) 明治書院が58年かけ偉業 「新釈漢文大系」は、明治書院が出版している漢文の大系で、思想や歴史から文芸まで中国古典を網羅している。1960年(昭和35年)の第1巻『論語』から刊行が開始され、今年…