ABABA’s ノート

旅と鉄道、岬と灯台、読書ときどき映画あるいは美術に関するブログです。

春遠からじ

(写真1 うっすらと赤く染まりだした冬のあけぼの) 冬来たりなば 冬来たりなば春遠からじ。 イギリスのロマン派詩人シェリーの詩の一節で、辛いことがあっても耐えていればいずれは幸せがやってくるというのが本来の意味らしいが、寒く厳しいとはいっても…

東海・近畿・中国・四国・九州

『旅する日曜美術館』 NHK日曜美術館制作班編による全2巻の下巻。 テレビで取り上げた番組を再構成しながら、新たに美術館を訪ねた美術館紀行を加えて構成しており、本巻では東海・近畿・中国・四国・九州の36館が紹介されている。 この番組は好きで毎週欠…

NHK日曜美術館制作班編『旅する日曜美術館』

北海道・東北・関東・甲信越・北陸 テレビで取り上げた番組を再構成しながら、改めて美術館を訪ねた美術館紀行で構成されている。 全2巻で構成されていて、上巻下巻とも第1巻第2巻とも特に断りはないが、本書は上巻にあたるようで、北海道・東北・関東・甲信越・…

映画『燃ゆる女の肖像』

(写真1 映画館に掲示されてあったポスター) 素晴らしい映画言語と映画美 美しい映像。それが独特の映画言語を表現している。会話は少ない。音楽も少ない。登場人物も少ない。ほとんど女性ばかり。しかしそれでも豊穣な物語を紡いでいる。カメラが少ない会…

梯久美子『サガレン』

樺太/サハリン境界を旅する サガレンとは、宮澤賢治が旅した時代の樺太の呼称の一つ。 この島は、実効支配した国によって樺太、サハリンなどと呼び名が変わってきていて、そのつど〝国境〟も動いてきた歴史があり、当然、敷設されていた鉄道においてもその版…

2021年の初詣

(写真1 1月4日神田明神の様子) 空いていた神田明神 例年なら元旦に出かけている初詣。今年は4日になって神田明神にお参りした。神田明神は、明治神宮や浅草寺ほどの規模ではないが、江戸総鎮守の格式もあり人気の神社。例年、スーツ姿のサラリーマンの…

展覧会『根津美術館の国宝・重要文化財』

(写真1 ロビーの様子。正面奥の左端に見えるひときわ背の高い白い仏像が「如来立像」) 国宝7件重文88件 港区南青山の根津美術館で開かれている。 根津美術館は、東武鉄道の社長などを歴任した実業家初代根津嘉一郎が蒐集した日本や東洋の古美術品を保…

展覧会『山下清展』

(写真1 会場で配布されていた開催案内のチラシから引用。上段の絵が「長岡の花火」部分) ゆかりの我孫子市で 千葉県我孫子市で開かれている。山下清(1922-1971)は、市内の弁当屋で働いていたなど我孫子市にゆかりが深い。 貼絵を中心にペン画や…

白堊芸術祭今年も

(写真1 会場の様子) コロナにも負けず 白堊芸術祭が今年も開催された。コロナ下のこと、開催が危ぶまれていたが、熱心な会員の後押しがあって開催にこぎ着けたもののようだ。会員の中にはこの展覧会に向けて1年をかけて作品作りに励んでいる人も少なくな…

冬の風物詩

(写真1 灯油の移動販売) 灯油の移動販売も 暖かい日もあったりするが確実に季節は晩秋から冬へと進んでいる。 冬の風物詩といえば何を思い浮かべるだろうか。 もっと寒くなれば、朝、霜が降りていれば冬の到来を強く感じる人は多いに違いないが、まだ、晩…

映画『相撲道』

(写真1 映画館に掲示されていた開催案内のポスター) サムライを継ぐ者たち 大相撲の醍醐味を描いたドキュメンタリー映画。約半年間、相撲部屋に密着して取材した。テレビでもたびたび稽古場の風景などが報道されて大相撲の様子をうかがい知ってきたが、映…

コウノトリを目撃

(写真1 飛び立ったコウノトリ。木とかぶってちょっと見にくいが。大きさは実感できる) 千葉県野田市のゴルフ場で 千葉県野田市のゴルフ場でプレー中、コウノトリを目撃した。 9番ホールの池で餌をついばんでいたもので、ドジョウでもいたものか一生懸命…

コンサート『三木香代&森知英ピアノデュオの夕べ』

(写真1 開催案内のチラシ。写真左:三木香代、右:森知英) 連弾と2台ピアノの演奏 カワイ表参道のコンサートサロンで開かれた。お二人はいずれも脂ののりきった実力派。 演奏は、すべて連弾と2台ピアノばかりで、まさしくピアノデュオだった。 初めに、ベ…

ヤマト帰る!

(写真1 帰ってきて羽を休めるヤマト) 千葉県野田市こうのとりの里で 千葉県野田市こうのとりの里から放鳥されたヤマトが帰ってきていることが確認された。 ヤマトは、野田市こうのとりの里で飼育中のつがいから3年前に誕生したもので、その後放鳥されて…

秋葉原に〝駅ピアノ〟

(写真1 秋葉原駅の駅ピアノの様子) 構内で自由にピアノ JR秋葉原駅中央口改札内コンコースに〝駅ピアノ〟が置かれていた。 駅ピアノとは、駅構内に設置されているピアノのこと。通行者はだれでも自由に弾くことができるのが特徴で、パブリックな空間に…

ハヤトウリ

(写真1 ハヤトウリの果実) シャキシャキした食感 ご近所からハヤトウリ(隼人瓜)をいただいた。洋梨のような形をしている。 南米原産なそうで、初め、大正時代に鹿児島に入ってきたためにこの名があるようだ。つる性の植物で、多数の果実をつけるという…

岩瀬浜逍遙

(写真1 古い家並みが続く岩瀬浜の通り) 北前船の港町 岩瀬浜は、富山市の北部、富山湾に面した港町。江戸時代、北前船の寄港地として栄え、当時の回船問屋が軒を並べ、往時の殷賑を今に伝えている。 岩瀬浜への最寄り駅は、富山地方鉄道富山港線の終着駅…

富山地方鉄道鉄道線

(写真1 富山地方鉄道の起点電鉄富山駅) 全国第1位の中小私鉄 富山地方鉄道(通称富山地鉄あるいは単に地鉄)は、富山県東部に路線網を有する中規模私鉄。鉄道線と市内電車の軌道線とがあり、総営業距離は107.2キロで、全国の中小私鉄で唯一100キ…

季節は晩秋へ

(写真1 見事なニシキギの紅葉) うれしい小春日和 晩秋といえばどこかしらもの悲しさにもつきまとわれるが、うれしいのは小春日和。体を伸ばして大きく深呼吸をしたくなる。 小春日和なら散歩の足も伸びるが、紅葉がどんどん進んでいて美しい色彩を見せて…

映画『スパイの妻』

(写真1 映画館で配布されていたチラシから引用) 秀逸な映画美 戦争への足音が近づいてきた1940年の神戸。貿易商の福原優作(高橋一生)と妻聡子(蒼井優)は、瀟洒な洋館に住み夫婦仲のよい生活を送っていた。 満州出張から帰国した優作に聡子は何や…

市内電車とつながった富山港線

(写真1 富山駅停留所の様子) 富山ライトレールの鮮やかな転進 富山港線についてはいささか解説がいる。そもそもは、富山地方鉄道(通称富山地鉄あるいは単に地鉄)の前進富岩鉄道によって1924年に開業した路線で、その後、戦時買収によって国有化され…

金沢の大野灯台

(写真1 大野川にかかる大野大橋上から見た大野灯台) 四角い姿のいい灯台 先週は富山から金沢へと旅行した。晩秋の北陸は久しぶり。特に金沢などは大変なにぎわいぶりだった。 金沢では大野灯台を訪ねた。大野灯台は、金沢市街の北、金沢港に建つ灯台。金…

パブリックアート

(写真1 シカゴのデイリー・シビック・センタービルの前庭にあるピカソの「アンタイトル」。コールテン鋼という材料が使われている) 世界各地に拾う 街角や街路にたたずむアート。ストリートアートとも違って景観に溶け込んでいるのが素晴らしい。旅行などで…

街路の彫刻

(写真1 美しい紅葉と彫刻。作品は岩田健「二人と猫」) 芸術の秋演出 紅葉が美しい季節になってきた。落ち葉を踏みしめながら歩くのも気持ちがいい。とてものんびりした気持ちになれる。 いつも散策で訪れる近所の公園の外周道路には、数百メートルにわた…

東京の地下鉄全線に乗る③

全鉄道全路線全二周への旅 (写真1 赤羽岩淵駅に掲示されてあった南北線案内図。停車駅が一目でわかる。乗り換え路線名も書いてあり、永田町など当線も含めれば実に5路線が乗り入れている) ついに三日がかりで13路線完乗! 出がけに家内から「まだ残っ…

半蔵門線・銀座線・新宿線・丸ノ内線・東西線

全鉄道全路線全二周への旅 (写真1 これは珍しい円形の窓=丸ノ内線で) 東京の地下鉄全線に乗る② 興味のない人には馬鹿馬鹿しくてあきれてしまうだろうが、今日も東京の地下鉄全線に乗りに出かけた。一日目の昨日は、千代田線、副都心線、有楽町線、都営大…

東京の地下鉄全線に乗る①

全鉄道全路線全二周への旅 (写真1 北綾瀬駅に掲示されていた東京の地下鉄路線図) 東京メトロ9路線/都営4路線 東京に地下鉄は、東京メトロ(旧営団地下鉄)の9路線と都営地下鉄4路線の合わせて13路線がある。皇居外周の都心部で重なり合うように集中…

アンソニー・ホロヴィッツ『メインテーマは殺人』

イギリス伝統のミステリー 第一級の傑作ミステリーである。 二つの意味で設定が秀逸だ。一つにはホームズ張りだということ。つまり、ホームズがいてワトソンがいるということ。探偵ホームズ役には、元刑事のダニエル・ホーソーン。ロンドン警視庁の顧問として…

映画『博士と狂人』

(写真1 映画館で配布されていたパンフレットから引用。写真上段が博士マレーを演じるメル・ギブソンと下段は狂人マイナー役のショーン・ペン) オックスフォー英語辞典誕生秘話 オックスフォード大学図書館。吹き抜けの壁いっぱいの巨大な書架と膨大な図書。…

映画『建築と時間と妹島和世』

(写真1 映画館で配布されていたパンフレットから引用。上段の写真が完成した建物) 大阪芸大新校舎建築設計ドキュメンタリー 建築家妹島和世が手がけた大阪芸術大学新校舎建設の設計から完成までの3年6カ月を追ったドキュメンタリー映画である。 妹島は…