ABABA’s ノート

旅と鉄道、岬と灯台、読書ときどき映画あるいは美術に関するブログです。

秋のバラ

(写真1 微妙な色彩のカトリーヌ・ドゥヌーブ) 色か香りか姿か 近所の公園にあるバラ園。今年も秋の公開が始まっている。 このバラ園は春と秋の年2回公開されているのだが、春の方が種類も株数も多い。ただ、春には春のバラ、秋には秋のバラが咲いているよ…

『刑事の矜持』

ミステリーのアンソロジー 日本推理作家協会賞受賞作家たちによる傑作短編集第7弾。 大沢在昌、黒川博行、佐野洋、島田一男、土屋隆夫、角田喜久雄の6人が名を連ねている。ただ、佐野、島田、土屋、角田の4人はすでに物故者。初出時も、60年70年前の…

ミロスラフ・クルティシェフピアノリサイタル

(写真1 演奏会場の様子) ロシア気鋭のピアニスト 8日築地の浜離宮朝日ホールで開催された。 ミロスラフ・クルティシェフは、ロシア気鋭のピアニスト。レニングラード(現サンクトペテルブルク)生まれ34歳。第13回国際チャイコフスキーコンクール(4…

西本智実+イルミナートフィル演奏会

(写真1 演奏開始前の会場の様子) ゲストに岩崎宏美 10月5日蒲田の片柳アリーナで開催された。日本工科大学を運営する片柳学園の主催で、創立記念感謝の調べと題し行われた。会場は4千人収容という巨大な多目的施設で、これが驚くことに満員の盛況ぶり…

函館の「箱庭カフェ」

(写真1 店舗玄関の様子) まるで〝ふるカフェ〟の世界 函館市電に乗っていたら十字街電停付近で古い商店のたたずまいにカフェの文字がチラッと見えた。それで、気になって帰途電車を降りて確認したところ、これはもうまるで〝ふるフェ〟の世界ではないか。…

津軽半島最北端龍飛崎紀行

特集 私の好きな岬と灯台10選 (写真1 津軽海峡に突き出た龍飛崎。突端は防衛省のレーダー施設で、対岸は北海道白神岬) 演歌の似合う風の岬 日本全図を広げて北上していくと本州の端は蟹が二本の爪を広げたような形をしている。青森県で、大きな陸奥湾を…

展覧会『ゼロ・ヒガシダ展』

(写真1 「最後の晩餐」と名付けられた巨大なレリーフ) 大作「最後の晩餐」 北上野のいりや画廊で開かれていた。 ゼロ・ヒガシダは彫刻家。1958年広島生まれ、1984年日大芸術学部、1986年芸大大学院卒業。ニューヨークでの活動が長い。 鉄を溶…

展覧会『コートールド美術館展』

(写真1 マネ「フォリー=ベルジェールのバー」=会場で販売されていた絵はがきから引用) ロンドンから魅惑の印象派 上野公園の東京都美術館で開催されている。 コートールド美術館とは、ロンドンのウエストミンスターにあるギャラリー。サマセット・ハウス…

展覧会「松下コレクション展」

(写真1 松方コレクション展が開催されている国立西洋美術館正面) 世界遺産国立西洋美術館 松方コレクションとは、川崎造船所を率いた実業家松方幸次郎が、第一次世界大戦前後の1910年代から20年代を中心にヨーロッパで収集した美術品のコレクション…

ホーカン・ネッセル『悪意』

スウェーデンミステリー このところ元気なスウェーデンミステリー。次々と新しい作品が紹介されて楽しませてくれている。特に現地在住の翻訳家の活躍が光る。英語版からの重訳ではなく原書からの訳出だから細かな味わいが出ているように思う。マイ・シューバ…

荻原浩『海の見える理髪店』

直木賞受賞作の短編集 直木賞受賞作である。短編6編が収められている。 どれも珠玉の作品ばかりで印象深いが、表題作の「海の見える理髪店」は、海辺の小さな町の床屋が舞台。時代遅れの洋風造り、人が住まなくなった民家を改装したような店構え。 「店の中…

今村夏子『むらさきのスカートの女』

芥川賞受賞作 面白い。近年の芥川賞受賞作では出色ではないか。滑らかだし読みやすい。だから一気に読める。 しかし、だまされてはいけない。読み進んでふと気がつくと内実恐い物語である。特に後半はミステリーじみてくる。 むらさきのスカートの女は、仕事…

戸田泰生画『再生』

(写真1 自身の作品とともに戸田泰生さん) 第49回純展出品 戸田泰生画『再生』は、上野公園の東京都美術館で開催されていた公募展純展に出品されていた。 純展は毎年秋に開催されていて、関東地方からの出品が大半で、今回は238人290点に上る作品…

映画『新聞記者』

(写真1 映画館に掲示されていたポスターから引用) 黒いサングラスをかけた羊の意味 ある日、東都新聞社会部に大学新設に関わる政権がらみの告発情報がFAXで届く。真偽を確認するよう若手の女性記者吉岡が命じられる。FAXは匿名によるもので、表紙に…

髙村薫×南直哉『生死の覚悟』

作家と禅僧の対話 魅力的な組み合わせである。 ディテールをないがしろにせず理詰めの作風で人気の作家髙村薫。近年は『晴子情話』三部作や『空海』などを著し、仏教への切り込みに新境地を見せている。対する南直哉(じきさい)は永平寺で修行を積んだ曹洞…

小樽の日和山灯台

(写真1 高島岬に立つ日和山灯台) 北海道で二番目に古い灯台 日和山灯台は、小樽の郊外祝津にあり、小樽駅からバスで10分ほど。終点おたる水族館から坂道を登ること約10分。石狩湾にでべそのように突き出た小さな岬高島岬の先端にあって小樽港に出入り…

小樽市総合博物館の車掌車・緩急車

(写真1 車掌車ヨ7904) シリーズ車掌車を訪ねて 小樽市総合博物館は、小樽駅からバスで5分ほど。手宮にあり、ここは北海道における鉄道の原点。旧手宮鉄道施設のあったところで、国の重要文化財に指定されている煉瓦造の機関車庫などが残されている。…

女満別駅の車掌車4両

(写真1 女満別駅構内に留置されている車掌車4両) シリーズ車掌車を訪ねて 石北本線を特急列車で網走に向けて走っていたところ、女満別駅到着の直前ピンク色の車掌車が右窓に見えた。途中下車しようと思ったのだが、先を急ぐ必要があったのでいったん網走…

能取岬と能取岬灯台

(写真1 草原が広がる能取岬と能取岬灯台) 台状の草原に立つ八角形の灯台 能取岬は、網走の郊外、オホーツク海に鋭く突き出た岬。突端に能取岬灯台がある。 岬には、網走駅からタクシーで約20分。駅前の坂道を直角に登ったから初め見当がつかなくて面食…

名寄市北国博物館のキマロキ編成

(写真1 キマロキ編成の雄姿) 伝説の雄姿 キマロキ編成とは、蒸気機関車による4両編成の排雪列車のこと。4両の頭文字を取って名づけられており、初めのキは機関車、マはマックレー車、ロはロータリー車、そして最後のキも機関車。 通常の除雪にはラッセ…

宗谷本線の車掌車転用駅舎

(写真1 下沼駅。大きな目が描き込まれている。赤い花のプランターが置いてある) 車掌車は生き続ける 宗谷本線には、車掌車を転用した駅舎が多い。笹田昌宏著『車掌車』には9駅も載っていて、このたびの北海道鉄道旅行では、時刻表索引地図にあらかじめ印…

四日市あすなろう鉄道

(写真1 分岐駅日永駅。手前が1番線内部行き列車で、奥が3番線四日市行き) 生活の足ナローゲージ これは珍しい軌間762ミリのナローゲージ(狭軌)の鉄道である。内部線と八王子線の二つの路線があり、このうち、内部線はあすなろう四日市駅から内部駅間…

蔵前「すぎ田」

(写真1 すぎ田のロースとんかつ。ソースをかけてから気がついて慌てて撮影した) とんかつ食べ歩き かつての同僚たちとは退職後も交流は続いていて、このうち数人とは年に数回とんかつの食べ歩きを行っている。企画立案役の男は酒を一滴も飲めないのでこう…

図書館と書店が融合した多賀城市立図書館

(写真1 2階から見た蔦屋書店店舗(左部分)と、びっしりと本で埋め尽くされた壁面の書棚から右が図書館) TSUTAYA図書館 図書館と書店が融合した施設が評判になっているというのでわざわざ見学に出掛けてみた。 仙台駅から仙石線で約20分多賀城駅…

いよいよ函館へゴール

(写真1 森駅から見た駒ヶ岳と左に噴火湾) 最長片道切符の旅北海道版第5日最終日 森では駅前のホテルに泊まったらちょうど夏祭りの最中だった。旭川では神輿が出ていたし、稚内では花火大会だったし、このたびの旅では時節柄各地で夏祭りに遭遇した。 最…

ひたすら函館本線で小樽から長万部、森へ

(写真1 小樽駅4番線で発車を待つ倶知安行き列車) 最長片道切符の旅北海道版第4日 小樽には寿司屋通りがあるというほどに寿司屋が多い。何でも100軒ほどもあるらしい。全般に北海道にはうまい寿司屋が多いが、私の好みで言えば小樽のほか釧路、函館と…

室蘭線-千歳線-函館線

(写真1 室蘭本線が発着する岩見沢駅) 最長片道切符の旅 北海道版第3日 岩見沢に泊まったのは6年ぶり二度目。当地には申し訳ないが、格別の観光スポットがあるわけでもないのにまさか岩見沢に再び泊まろうとは思いもよらなかった。 その理由は、初めての…

網走-釧路-新得-富良野-旭川-岩見沢

(写真1 海に最も近い駅北浜.。左がオホーツク) 最長片道切符の旅 北海道版第2日 網走では、駅の真正面にあるホテルに泊まった。ところが、網走というところは、飲食店街は離れていて、駅の周辺にはほんとうに少ない。網走も肴はうまいということは知って…

最北端の稚内からオホーツクの網走へ

(写真1 稚内駅ホームで最長片道切符北海道版出発の記念撮影) 最長片道切符の旅北海道版第1日 稚内には前日の内に入っておいた。旭川から鉄路で到着したのだが、本当は空路稚内空港に降り立ち、稚内駅は処女のようにとっておきたかったのだが、航空便は希…

最長片道切符の旅 北海道版

(写真1 稚内→函館間が最長となる片道切符=使用開始前の状態) 稚内から函館へ一筆書き1,492.1キロ [序曲] 昨日9日まで1週間にわたり北海道に旅行した。このたびの旅行では、北海道内を一筆書きに最長片道切符で巡った。5日に稚内を出発し9日に…