(写真1 広瀬川橋梁を渡る東西線電車)
南北線と東西線
三陸からの帰途、仙台で途中下車し、仙台市地下鉄に乗った。
二つの路線があり、その名の通り南北に貫く南北線と、東西に走る東西線。二つの路線はJR仙台駅に直結する仙台で直角に交差している。路線総延長は28.7キロ。福岡や京都、神戸各都市地下鉄路線とほぼ同じ距離。
初めに開業したのは南北線。当初、八乙女-冨沢間が1987年に開業し、その後八乙女から泉中央まで一駅延伸されて1992年全面開通した。14.8キロ、駅数17。
次ぎに、しばらく間を置いて2015年東西線八木山動物園-荒井間13.9キロが一括開業した。駅数は13。
東西線から乗った。理由は単純。JR仙台駅から地下駅に降りていくと、初めにあったのが東西線ホーム。南北線はその奥になるようだ。遅れてできた路線だけにホームが深いところにあり、長いエスカレータを下った。
どっち方向に乗るか考えていなくて、これも初めに来た荒井行きに乗った。仙台には住んだことはないがたびたび訪れたことがあって懐かしい駅名が続く。
連坊は、連坊小路という通りがあったのではなかったか。寺町なのであろう。仙台一高がこの通りだった。続いて薬師堂。陸奥国分寺にちなむのであろう。
(写真2 荒井駅に停車中の東西線電車)
そうこうして終点荒井。高架駅である。仙台から14分。高架下には役所の出張所があり、保育園も設けられてあった。駅前は開発途上のようで、バス乗り場だけが立派だった。
すぐに折り返したが、発車待ちの乗務員とちょっとだけ話したら、この路線はリニアだとのこと。いわゆる鉄輪式というやつで、地下鉄に多いタイプ。浮上式とは異なる。都営地下鉄大江戸線などと同じ方式で、車両の小型化によってトンネル断面を小さくすることが可能で、ミニメトロである。
実際、乗ってみると、車両の天井が低いし、幅も狭い。ただし、鉄輪式だから、一般の地下鉄車両と騒音は変わらない。
また、全駅にホームドアが設けられており、4両編成だが、ワンマン運転である。
再び仙台を経て大町西公園を過ぎて地上に出て広瀬川を渡った。ここから一気に国際センター、川内、青葉山と急勾配が続いた。また、青葉山と八木山動物公園間が急曲線となっている。急勾配、急曲線はリニアの利点を生かせるところでもある。
青葉山を過ぎて一瞬トンネルが途切れたが、これは竜の口渓谷を渡る橋梁だったようだ。
そうこうして八木山動物公園。地下駅だが、レール標高136.4メートルは日本一高い場所にある地下鉄駅である。なお、動物園はここから徒歩10数分のところにあるらしい。
帰途、国際センターで下車してみたところ広瀬川を渡ってくる列車が眼下に一望でき、その向こうに仙台中心街が広がっていた。また、この駅からは宮城県美術館が近い。
再び仙台。南北線に乗り換え。初めに富沢行きに乗車。途中、長町はJR東北本線との接続駅。そうこうして終点冨沢。地下駅で、地上に出てみたが、特記するようなものには気がつかなかった。
すぐに折り返し、仙台を経て黒松で地上に出た。そのまま進み、八乙女を出て右に大きなスタジアムが見えた。サッカーベガルタ仙台のフランチャイズのようだ。
そうこうして終点泉中央。ホームは地下にあるが、地上に出ると地下鉄の駅とは思われないほどの大きさ。駅ビルがあり、ペデストリアンデッキを囲むように多数の大型商業施設が取り囲んでいる。泉中央副都心というらしい。
(写真3 ペデストリアンデッキを囲むように大型商業施設が並ぶ南北線泉中央駅前)